五輪競技から野球が落選!ブレイクダンス初採用で高まる期待と団体競技の落日

 新型コロナの影響で延期となった東京五輪の開催まであと半年とわずか。コロナ禍での開催に不安感が漂う中、4年後に控えるパリ五輪の追加競技が発表されて話題となっている。

 IOC(国際オリンピック委員会)が発表した追加競技は、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン、そして、オリンピックでは初採用となるブレイクダンスの4種目だ。ヒップホップ文化を象徴するストリートダンスが五輪競技として認められたことに日本のBボーイ(ブレイクダンサーの呼称)達からも喜びの声があがっている。

 対して、東京五輪で追加競技に選ばれていた野球、ソフトボール、空手は落選という結果に。日本の野球ファンからは《野球って世界的にはスケボーやブレイクダンスより普及してないのか…》《五輪の競技発表のたびに野球が世界ではマイナースポーツなんだと思い知らされるな》など落胆の声も聞かれる。

 野球や空手の落選に、日本のメダル獲得数が減ってしまうのではないかという懸念の声もある中、実は初採用のブレイクダンスがメダル獲得の有望な種目なのではないかと期待の声もあがっている。

 ブレイクダンス世界一を決める「Red Bull BC One World Final」で2016年に日本人として初優勝を飾ったIsseiこと堀壱成選手は現在23歳。今年の大会ではShigekixこと半井重幸選手が18歳で史上最年少優勝を果たしている。強豪国のフランス、韓国を差し置いてパリ五輪でのメダル獲得に期待感が高まっている。

 各地の大学運動部などでクラスター発生が相次いでいる中、どんな競技も感染対策を施しながら練習に取り組んでいる。今回追加競技に選ばれた4種目は、チームワークを要する団体競技ではなく、個人で練習が可能なものばかり。団体競技の落日を尻目に、コロナ禍でも技術を磨けるスポーツとしてブレイクダンスの再ブームが到来するかもしれない。

(浜野ふみ)

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