国土交通省が9月から開始する、自治体職員に向けた無料オンライン講座の講師全員が男性だったことが炎上した案件について、同省は22日、新たに女性講師を追加で15人選任したことを発表した。
同件が炎上したのは先月19日のこと。同省が公式Twitterにて講座の概要とともに申し込みを募る内容のツイートを投稿したところ、25人の参加講師全員が男性だったことに対し《講師選びからジェンダー不平等》《男女のバランス感覚大丈夫?》と、多数のユーザーから指摘を受けていた。この指摘に対し同省は翌日にも「女性も含めて検討しておりましたが、 日程等の都合などから最終的にこのような女性講師がいない形となってしまいました」と釈明するも炎上の火は鎮火せず、さらに翌日には報道からの取材に対し、「女性講師の追加を検討している」と明かしていた。
「同省が企画した講座は『都市を創生する公務員アーバニストスクール』というもので、公共空間の活用事例などを元に、行政と生活者の両視点を持つことに重点を置きながら、豊かなまちづくり実現を目指すことを目的としたオンラインスクールです。このため、単純に《講師の男女比が平等でない》と批判されたのではなく、豊かなまちづくりを考える上で、女性視点が抜けているということに違和感を覚えたユーザーが多かったのでしょう。最近では、ベビーカーで公共交通機関を利用したユーザーが、ある男性から《邪魔なんだよ!畳めやこのブタ》と心無い言葉をかけられたという投稿がSNS上で話題になり、“ベビーカー論争”に発展しました。国交省はベビーカー利用者への理解・配慮を求めるポスター作りなどを以前から行っていますが、未だ理解が浸透していないということでしょう。こういった不満を持つ女性達からすれば、まちづくりに関する講座が男性講師だけで行われることへの憤りも頷けます」(情報誌ライター)
講師の男女比を合わせるためだけの形骸化した男女平等登用になるのではなく、より良いまちづくりに繋がると良いのだが・・・。
(浜野ふみ)