何とも盛り上がらない「ポスト松井一郎」維新代表選は存在感低下の始まりか

 日本維新の会は前回の衆院選で大きく躍進、参院選では伸び悩んだものの、政界の第3極としての存在感はだいぶ増してきた。だがここへきて大きく潮目が変わるかもしれない。日本維新の会で行われる代表選のことだ。

 日本維新の会の松井一郎代表が参院選を機に代表を退くことを表明。これを受けた代表選が8月14日に告示、27日の投開票を経て、臨時党大会で新たな代表が決定されるのだが、どうも顔ぶれがパッとしないのだ。

「立候補に必要な国や地方の議員である『特別党員』の推薦30人以上を集めた馬場伸之共同代表(元堺市議)、足立康史政調会長(元経産省)、梅村みずほ参院議員(元フリーアナウンサー)の3人が候補者となっています。一方で、全国政党として首長支配から脱する必要から、人気者の吉村洋文大阪維新の会代表は早い段階から不出馬を表明していました。結果、この3人の誰かが代表になるわけですが、創業者の橋下徹氏、その盟友だった松井一郎氏と、良い意味でも悪い意味でも“顔”となる存在だっただけに、この3人ではあまりに認知度が低い」(在阪ジャーナリスト)

 中央政界との距離感でも、橋下、松井の両氏が安倍晋三、菅義偉両首相との太いパイプがあっただけに一定の存在感を築けている側面があった。もっともこのパイプも岸田政権では通用しなくなったが。

「さらに維新の会の独特な代表選の選挙システムもむしろ全国政党としては弊害になりかねません」(同)

 どういうことか。維新の代表選は国・地方の別のない「特別党員」約600人と約2万人いる「一般党員」が平等に1人1票の投票権を持つ。これは大統領制のような強力なリーダーシップを代表に期待してのことなのだが、ところが約2万人いる一般党員のおよそ1万2000人が大阪在住者なのだ。だから結局は大阪人の意向次第ということになる。地方政党でないにもかかわらずだ。

「本命はなんといっても馬場共同代表でしょう。党の顔としてテレビ出演も多いですから。集めた推薦も馬場氏が306人に対し、足立氏は39人、梅村氏は30人に過ぎません」(同)

 つまり創業者の看板が無くなって「顔」が立たない上、大阪の人が大勢を決めるというのでは全国政党としてあまりにも心もとなくはないだろうか。維新の会は代表戦の謳い文句を「継承。そして新たな飛躍へ。」としているが、後から振り返ってみれば、実は前回の衆院選が党としてのピークだった、なんてことにもなるやもしれない。

(猫間滋)

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