「20代男性の4割がデート経験なし」内閣府調査で“モテ・非モテ格差”が鮮明に

「20代男性の4割がデート経験なし」。6月14日に閣議決定された「男女共同参画白書」の調査結果として、内閣府が公表したデータの1つだ。イマドキの男性の草食化イメージが端的に表れた数字として注目されているが、加えて20代男性の7割に配偶者や恋人がいないとのデータもあり、少子高齢化に歯止めがかからないということで、野田聖子少子化対策担当大臣も、記者に問われて「今はむしろ対面ではなくオンラインで繋がっていくことが主流。対面に代替できるものを応援していきたい」とコメントしている。

 この調査は、内閣府男女共同参画局がおこなった「人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査」という報告書に掲載されている。ここでいう「デートの定義」も話題となっており、設問では「中学卒業以降に、相手が恋人以外でもよく、回答者がデートだと思うもの」を入れていいとしている。定義はファジーだが、恋愛との絡みで言えば、「そもそもデートと遊びの境界線は?」といった疑問は恋愛経験が多い人が抱きがちで、経験の無い人はあまり思い悩まないようにも思える。

 また「20代男性の4割が…」といったところが切り取られたことで、ある女性が〈言い換えれば6割男性がちゃんとデートしていて、5割女性に彼氏がいるということ。この人たちを保護すれば少子化は解消します。非モテに政府がかかわるのを止めるべき〉とツイート。これを端緒に「モテ・非モテ」論争に発展し、「金はない、顔も自信なし」といった恨み節もあれば、「僕が4割の分までデートしてあげるから安心しろよ」といった煽りまで、ネット上で談論風発。

 だが実は、調査はより上の世代も対象に行われていて、そちらの方が驚きは大きいかもしれない。

 まず若者世代の数字を見渡してみれば、デート経験がゼロなのは20代独身男性が39.8%で、30代独身だと34.1%になる。独身女性だと20代が25.1%で、30代は21.5%だ。

 当然この数字は年齢が上がるごとに小さくなっていくわけで、独身男性は40代で20%近くまで減るのだが、そこから先が伸びない。50代、60代でも20%前後いるのだ。もちろん、もともと恋愛にあまり興味がないという人もいるだろうし、歳をとって興味を失ったという事情もあるだろうが、言ってしまえば「モテ・非モテ」の厳然たる格差が読み取れるのだ。

 もちろん政府は非モテの実態を調査したかったわけではない。

「調査では収入や就労とその時期、貧困、家族のあり方など、いわゆる格差の問題を通じた分析が多くなされていて、全体としてそれに対して社会がどうサポートしていくかの方策を探るといった意図で報告されているといった印象です」(経済ジャーナリスト)

 もちろん、そこでは「モテ・非モテ」の格差について触れられていないのは言うまでもない。

(猫間滋)

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