ENEOSトップが唐突すぎる辞任「一身上の都合」に飛び交う憶測

 石油元売り大手のENEOSホールディングス(HD)は8月12日、杉森務会長グループ最高経営責任者(CEO)が同日付で辞任したことを突如、発表した。理由については「一身上の都合」として詳細は明かされていない。

「杉森氏は1979年に日本石油(現ENEOS)に入社し、2018年にはJXTGホールディングス(同)代表取締役社長や日本経団連副会長、石油連盟副会長に就任。20年からはENEOSホールディングス代表取締役会長と石油連盟会長にも就任し、今年6月の株主総会で代表取締役会長に再任されたばかりでした。ENEOSHDによると、発表当日に杉森氏本人から辞任の申し出があり、受理したといいます。なお、同氏は子会社を含めすべての役職を辞任し、石油連盟会長を含めた外部の役職も退任しています」(社会部記者)

 あまりに唐突で「一身上の都合」という不明瞭な辞任理由にネット上では、《株式会社のCEOが「一身上の都合」だけでの辞め方はおかしい》《定時株主総会時ではないこのタイミング。こういう辞任が投資家的には一番当惑してしまう》《実に不自然な辞め方。不正なり何かがなければこうはならない》《健康問題? であれば今後の体制を整える時間的余裕はあったはず。どうしても失脚したような印象を受ける》など、様々な憶測を呼んでいる。

「ENEOSHDは、会長のポストを当面空席にすると説明していることから、本当に突然の辞任の申し出だったと思われます。12日に発表された同社の22年度第1四半期(4月〜6月)決算では、最終利益が前年同期比から約2.3倍の2213億円となり、同期としては過去最高を記録していることから、業績的な問題ではないでしょう。株主の混乱を避けるためにも、もう少し丁寧な説明が必要です」(経済ジャーナリスト)

 今後、詳しい理由が明かされる時はくるのだろうか。

(小林洋三)

ビジネス