FNNが全国の18歳以上の有権者1138人に対して実施した世論調査によれば、新型コロナウイルスの第7波を受けて夏の旅行や帰省をしないと回答した人が68.8%にのぼったことが25日に報じられた。
同調査では、「コロナ第7波に不安を感じるか」の質問に70.3%が「不安に感じる」と回答。また、「今後、岸田内閣に、特に取り組んでほしい政策は何か」には22.6%が「新型コロナウイルス対策」と回答するなど注目度の高さがうかがえ、「この夏、帰省や旅行をしようと思っているか」には「帰省をする」はわずか9.5%、「旅行をする」も13.4%と低く、「帰省も旅行もしない」が68.8%。多くの人が第7波を強く警戒している状況が浮き彫りになった。
一方、6月20〜24日にかけて明治安田生命が実施した夏休みに関するアンケートによれば、この夏レジャーなどに使う1世帯あたりの平均予算は6万8632円と4年ぶりに増加し、コロナ前の2019年を上回る額となっている。3年ぶりの行動制限のない夏休みとなるだけに多くの家庭が旅行や帰省などを予定していたようだが、7月23日は全国の感染者数が過去最多となる20万人を超えるなど感染者が爆増したことで、断念するケースが急増したと見られる。
「観光業界はコロナの感染拡大によって大きなダメージを受けており、帝国データバンクによるとホテル・旅館、旅行業、観光バス、土産物店などの観光関連事業者の新型コロナウイルス関連倒産は283件と、飲食業、建設・工事業についで多い数字となっています。今年は行動制限のない夏休みとなるだけに観光業界の期待も大きかったですが、旅行者や帰省者が激減となれば堪えきれずに倒産というところも出てきてしまうかもしれません」(経済ジャーナリスト)
「GoToトラベル」の再開時期も不透明で、観光業界にとってこの夏も厳しい夏になりそうだ。
(小林洋三)