海水浴客が10分の1に「レジャー白書」で浮き彫り「若者の海離れ」6つの理由

 梅雨が明け全国各地の海水浴場で続々と「海開き」が始まる中、若年層の「海離れ」が加速している。

 各地の海水浴場はどこもそれなりに賑わってはいるものの、1980年代に見られたビーチの端から端までぎっしりと人で埋め尽くされたような光景は見られない。それもそのはず、レジャー白書によると海水浴を年に1回以上した人は、1985年には3790万人もいたが、22年は360万人まで減少しているというのだ。一体なぜなのか。

 レジャー誌記者が語る。

「かつては夏と言えば海水浴でしたが、近年の若年層は『身体がベタベタする』『シャワー室が狭くて汚い』『日焼けが気になる』などの理由で、海を敬遠する傾向が強くなっています。そもそも一部の青く澄み切った海ならばまだしも、多くの人が集まる海は水質もよくないですからね。また連日35℃を超える酷暑の中では、遠くの海に行くよりも近くのカフェでお茶をしていたほうがいいという女性が多い。子供たちも海に行くより家でゲームをしたいという世の中になってしまいました」

 また、海を敬遠する人は水難事故も懸念しているようだ。7月20日には三重県で50代男性が、21日には広島県で女子中学生が、23日には神奈川県で大学生が溺れて亡くなっている。最近は「離岸流」の存在も広く知られるようになり、遊泳禁止区域では泳がないなどの注意喚起がなされているが、やはり海に入る以上リスクは避けられないのも確かだ。

 今週から夏休みが始まった学校は多いが、近い将来、夏の思い出に海を訪れる学生の姿を見ることもなくなってしまうかもしれない。

(ケン高田)

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