JTBが先ごろ発表した「2019年夏休みの旅行動向」によれば、夏休みに海外旅行をする人は2018年よりも10万人増えて299万人になると予想されており、2000年以降で最高になる見込みだという。
「その背景には、LCCの格安路線が増えたことや円高傾向にあることが挙げられますが、何より“働き方改革”によって有給休暇が取りやすくなったことが大きいと言えます。また、今年のお盆休みは8月16日に有給休暇を取得すれば最大で9連休となることから、10連休だったゴールデンウィークと同じように遠出をしやすい状況なのです」(経済評論家)
今年4月から有給休暇取得の義務化がスタートしており、正社員だけではなく、条件を満たした契約社員やパート、アルバイトも最低年5日間の有給取得が義務となっており、これを怠った企業には罰則も科せられることになっている。
ただ、そんな今回の夏休みでも、《9連休など俺には別世界の話》《GWの悪夢再来か》《サービス業にとって鬼のような忙しさがやって来る》など、休暇がとれない人たちの不満は広がるばかりの状況だ。
「実は、有給休暇の義務化によって、それまであった年末年始やお盆休みを有給休暇にこっそりすり替えている会社もあるといいます。これは労働条件の不利益変更となり、義務を果たしていないことになる。ただ、そうした目に遭っている従業員は、会社とのケンカを覚悟で労働基準監督署に相談するか、ホワイトな会社への転職を考えるしかないといった状況です」(社会部記者)
とはいえ、連休を取れたとしても休み明けに仕事のしわ寄せが来る恐怖までは拭えない、悲しい現実もあるわけだが…。
(小林洋三)