母国開催の東京五輪では、メダルが期待されながら12チーム中10位と惨敗に終わった女子バレー日本代表。その後、昨年10月には2012年ロンドン五輪で銅メダルに導いた眞鍋政義監督が5年ぶりに復帰し、現在開催中の五輪後初の国際大会「ネーションズリーグ」に挑んでいる。
テレビはほとんどがBS中継で、地上波では一部が深夜枠で放送されているだけ。スポーツニュースや新聞でも扱いは小さいが、予選第2週を消化した時点で唯一の8戦全勝と出場15チーム中、堂々の首位をキープ。しかも、東京五輪金メダルの米国代表にも3-0でストレート勝ちを収めている。
今回の代表チームには若手も多数抜擢されているが、中心は五輪出場組と選考落ちやケガで五輪を逃した選手たち。主力のメンバーに大幅な変化はなく、短期間でのV字復活にバレー関係者からも驚きの声が挙がっている。
かつてiPad片手に指示を出す姿が話題になったが、眞鍋監督の代名詞であるデータバレーは今も健在。さらに「アントラージュfromロンドン」と命名した特別スタッフを新たに用意し、ロンドン五輪当時の代表メンバーたちを任命している。
「臨時コーチやアドバイザーに近い立場です。全員眞鍋監督の薫陶を受けているので戦術だけでなく人柄なども理解しており、選手と監督・コーチの間に入るクッション役として期待されています」(スポーツ紙記者)
現在はカフェ経営者の元エース・木村沙織をはじめ、監督付情報戦略アドバイザーとして現代表チームにも帯同するセッターの竹下佳江、今や4児の母親の大友愛など当時の中心選手たちが名を連ね、その効果が早くも表れたというところか。
「ただし、本格的な活動はこれから。それでも世代的にそこまで離れているわけではなく、以前からプライベートで交流のあるOGも多い。そのため、個人的なことにも相談に乗ったりアドバイスをしているようです」(同)
パリ五輪で悲願の金メダルを目指す火の鳥NIPPONにとっては、これ以上ない心強い援軍となるはずだ。