有名アスリートたちはなぜ、引退後にカフェを経営したがるのか?

 現役時代は「ドラゴン」の愛称で呼ばれ、Jリーグでゴールを量産した元サッカー日本代表FWの久保竜彦氏。12月6日放送の「人生が変わる1分間の深イイ話」(日本テレビ系)で、18年から暮らしている山口県光市での移住生活を紹介。今年、「カフェ ドラゴン」を開業し、地元の方の憩いの場となっている。

 ちなみにサッカー界では、久保氏と同時期に日本代表の右サイドバックを務めた加地亮氏もまだガンバ大阪で現役だった11年、大阪府箕面市で古民家カフェ「CAZI」の営業を開始。引退後は夫婦でお店を切り盛りしている。

 ほかにもコンサドーレ札幌などでプレーした岡田佑樹氏は札幌市内で「C2カフェ」、名古屋グランパスなどで活躍した飯島寿久氏は愛知県長久手市で「寿樹」を経営。いずれも地元では隠れ家的な店として人気だ。

 さらにバレー界でも元女子日本代表のエースアタッカーだった木村沙織さんは、夫の元バレー選手・日高裕次郎氏と19年に大阪市内で「SUNNY 32 COFFEE & SNUCK BAR」をオープン。居酒屋などお酒メインの飲食店を営むケースが多いプロ野球OBでも、元広島の小林敦司氏が東京・代官山で「2-3Cafe Dining」のオーナーパティシエを務める。

 引退後に飲食業を始めるアスリートは多いが、なぜカフェを選ぶ人が増えているのか? これについて飲食業界誌記者は、「夜型の居酒屋などと違って日中の営業がメイン。地方遠征や多忙を極めた選手時代の反動で、家族と一緒に過ごす時間が欲しい、のんびり暮らしたいと思っている人が多いのでしょう」と分析する。

 あと、カフェは飲食ビジネスの中ではリスクが比較的少ないことも大きいという。

「初期投資も抑えられ、焙煎技術はセンスがあれば素人でも短期間で習得できるので参入ハードルは低い。それに元有名選手なら解説者や講演、スクールのコーチなどの仕事もあり、カフェが多少赤字でもなんとかなる。元ファンがお客さんとして来てくれますしね。その辺りの安心感もあるかもしれません」(同)

 カフェ経営が流行りとはいえ、そこはやはり元々の知名度や他の収入源があってこそ。興味のある人は多いが、彼らのやり方を真似するのは難しいかもしれない。

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