国交省「GoToトラベル」再開検討に「二の舞は勘弁!」戸惑いの声が続々

 新たに国土交通大臣に就任した斉藤鉄夫氏は5日の会見で、観光事業支援策である「Go To トラベル」について前向きに再開を検討する方針を明らかにしたが、これにネット上では戸惑う声も少なくない。

 斉藤氏は「岸田文雄首相から、感染対策を前提に、ダメージを受けた観光業を支援するよう指示があった」と説明。新型コロナウイルスの感染状況を見ながら「Go To トラベル再開のタイミングを検討していく」ことを明らかにし、「観光地や地域経済の維持、復興のために大変重要で必要不可欠な事業だ」と強調した。

 同日には「Go To イート」が愛知で再開されるなど飲食店復興に向けて各地で動きがあり、ニュースサイト「訪日ラボ」を運営するmovがおこなった意識調査によれば、Go to キャンペーンの再開に対して約8割が「希望する」「どちらかというと希望する」と回答するなど、Go To トラベル再開の機運は高まっている。 

 ただし一方、ネット上では《そんなに急かさなくても普通に旅行出掛ける人多いし、Go To トラベルでアクセルを踏み込む必要はないんじゃないか》《まずは去年やったGo To トラベルをしっかりと検証してくれ。慌てて再開して去年の二の舞は本当に勘弁》《無意味な政策で税金の無駄遣いをしないでほしい。安全と分かれば旅行へ行きたい人は勝手に行く》など、戸惑いの指摘と慎重論も多く見られる。

「昨年7月から始まったGo To トラベルが新型コロナウイルスの感染増加に影響を与えたとする研究結果や、ワクチン接種者が増えたとはいえブレークスルー感染の可能性もあることから、緊急事態宣言が解除されて間もないこのタイミングで再開を検討するのはまだ早いと感じている人も多いのかもしれません。9月のシルバーウイークには東名高速道路で44キロの渋滞が発生するなど観光地もかなりの人出がありましたし、本当に必要不可欠な状況であるのかはしっかりと検証して欲しいものです」(経済ジャーナリスト)

 Go To トラベル再開がコロナ第6波の引き金とならないよう、前のめりの判断は避けるべきだろう。

(小林洋三)

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