大谷翔平は22.3億円!AI評価でわかった日本人メジャー6人の「現在価格」

 グラウンドで収集した膨大な実践データを解析する〝AI革命ベースボール〟で1歩リードするメジャーリーグ。選手の長所短所のみならず、働きぶりまでズバッとマネー換算してしまうのだ。ペナント3分の1を経過した現在、侍メジャー選手のお値段をスッパ抜くと─。

 緻密なデータを駆使するメジャーリーグでは、日本プロ野球では馴染みのない指標が重視されている。その1つが、チームへの貢献度を表す「WAR(Wins Above Replacement)」だ。

 スポーツジャーナリストの友成那智氏が解説する。

「打撃、投球だけでなく守備、走塁などの総合的な成績から算出する指標で、MVPやサイ・ヤング賞の選考の基準にもなっている。選手の活躍ぶりを『何万ドルの働き』と現金化することが可能で、1.0ポイントが800万ドル(1.04億円)の価値だとされます」

 その計算方法は、ポジション、打順などにより変動し、複雑な係数を用いるため詳述を避けるが、このWARでは投手と野手を簡単に比較することができる。

 ちなみに、リアル二刀流でMVPに輝いた昨季の大谷翔平のWARは「9.0」。なんと93.6億円の働きと算定されているのだ。

 なお、WARは大手2社(ファングラフ、ベースボールレファレンス)が別の算出法を用いるため、今回は2社の平均値を計上した。

 まずは、その大谷。投手のWARはここまで「1.25」と算出されたが、

「メジャーの先発投手の防御率の平均は4.40程度。その点、大谷は3.45、さらに、QS(クオリティスタート=6回3失点以下)も4回あり、かなり優秀と言えます。昨年はスプリットを多投していましたが、今年は変わってスライダー、カーブで三振数を稼いでいる。この奪三振率の高さはWARにも加味されています」(前出・友成氏)

 4月21日のアストロズ戦では6回3分の1を12奪三振パーフェクト投球で全米を驚愕させた。一方、バッティングは「0.9」。

「HR数こそ出ているが、チャンスで一発が出ていません。また、出塁率に長打率を足したOPS値が主砲級の0.9に達していないのでWAR評価は高くない。それでも、投打合わせてのWARは2.15、1720万ドル(22.3億円)の働きです」(前出・友成氏)

 すでに年俸の3倍超! 大盤振る舞いの大活躍なのだ。在米スポーツジャーナリスト・梅田香子氏は、2年連続MVPを後押しする。

「確かに昨年前半戦よりも本塁打数は少ないですが、歴代メジャー選手と比べて遜色ない数字です。調子は落ちていないので、いつでも量産態勢です」

 続いて「100億円契約」と鳴り物入りでメジャー入りしたカブス・鈴木誠也の場合は「0.65」。

「開幕2週間で4本塁打とできすぎたが、その後は1本も打てず、5月に故障者リスト入り。打率はメジャー平均程度ですが、選球眼がよくて出塁率が高い上に、二塁打が12本と長打率も高い。反対に慣れないライトの守備が影響したのか、守備の失策で評価を下げている」(前出・友成氏)

 それでも、開幕スタートダッシュで年俸の3分の1(6.7億円)は稼ぎ出した計算になるという。

「開幕戦での大活躍で地元シカゴは大フィーバーとなりました。ただ、08年に同じカブスで開幕戦2ランと華々しいデビューを飾った福留孝介もその後、対戦相手が一巡してから苦しんだのをファンは知っている。鈴木選手が本領を発揮するのはこれからでしょう」(前出・梅田氏)

 パドレスのダルビッシュ有は「0.7」7.2億円の算定だ。

「昨年、途中から厳しく取り締まられた粘着物検査の影響でオールスター出場後は1勝8敗と落ち込んだが、今年は持ち直しました。とはいえ年俸が高いので、まだ給料分の働きには届いていない」(前出・友成氏)

 レッドソックス2年目の澤村拓一は「0.15」1.5億円。

「仕事は負けパターンで登板するミドルリリーバー。リリーフの防御率平均が4.00なので、3.18は優秀。澤村は基礎年俸なので、すでに年俸分働いていると言えます」(前出・友成氏)

 5月末に3A行きを宣告されたが、2日でメジャーに復帰した。

「昨年は55試合に登板したが、コロナがなければもっと活躍できたと話している。今年は最低でも中継ぎとして60試合、70試合を目標にしています」(前出・梅田氏)

 費用対効果はさらに上昇が見込まれる。

 今季ブルージェイズに移籍した菊池雄星は「0.35」で3.6億円。

「強打のヤンキースなどから2勝。元横浜のピート・ウォーカーコーチの指導で、カットボールを捨てたことが転機となった。プレート最端から投げる140キロ台の高速スライダーで、今年は2桁勝利も狙えます」(前出・梅田氏)

 最後に唯一のマイナス計上を許したのは、パイレーツの筒香嘉智の「-0.65」だ。

「打撃成績全体が低い上に好機に打てず、得点に絡む働きができていないことが原因です」(前出・友成氏)

 主観のない数字は正直に出てしまう。5月25日には故障者リスト入りした。

「早くも地元紙に〝不良債権〟と叩かれています」(前出・梅田氏)

 今こそ侍の意地を!

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