エンゼルス地区V争い!大谷翔平がチームの結束を固めていた

 大谷翔平が2試合連続となる先制の8号2ランを放ち、アスレチックスに快勝した(5月15日/現地時間)。前日の同カードでもメジャー通算100号の一発が出ており、「大谷がホームランを打った日は負けない」の神話も続いているようだ。
 
 そんな大谷同様、同日先発の左腕、パトリック・サンドバルの好投を讃えるメディアも多く見られたが、それにはワケがあった。エンゼルスのプレーオフ進出のカギを握っているのは、大谷ではなく、このサンドバルだからだ。

「好投しても打線の援護に恵まれず、勝ち星がなかなかつかないピッチャーでした。昨年7月にはノーヒットノーランの可能性を持って9回のマウンドに上がったものの、快挙達成はなりませんでした。でも、将来のエース候補として確実に成長しています」(現地ライター)

 そもそも、エンゼルスは「投手陣さえ建て直せば地区優勝も」と言われ続けてきた。昨年オフは例年以上に投手補強に力を入れ、

「元メッツのエース、ノア・シンダーガードとも契約。トミージョン手術明けで、今季、本格的な復帰を果たす投手なのに本当に大丈夫か?」

 との不安も抱えていた。そんな不安要素を払拭してくれたのがサンドバルだった。

「昨年後半からチェンジアップのキレが良くなり、好投して報われない状況も一変しました。年齢が近いせいか、大谷とも仲が良い」(同)

 計算の立つ左の先発投手は、チームにとって貴重だ。サンドバルの成長もあり、同時点でのエンゼルスのチーム防御率は3.17。全30球団中4位の好成績である。

 エンゼルスの投手陣が試合前、「TEAM JAPAN」のTシャツを着て練習している姿があった。大谷を慕ってのことだが、それが投手陣のコミュニケーションを高め、互いにアドバイスを送りあう機会にもつながったそうだ。
 
「昨季、投手・大谷がリードを保ちながら後続にマウンドを譲ったら、逆転負けを喫した試合も度々ありました」(現地記者)

「大谷に勝ち星を」との思いをリリーフ陣が強めたように、好投しても報われなかったサンドバルを何とかしてやりたいという思いが野手陣に広まったようだ。その橋渡し的な役目を務めたのが「打者・大谷」。ア・リーグ西部地区でゲーム差ナシの2位。二刀流は投手陣と野手陣の結束も高めたようだ。

(スポーツライター・飯山満)

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