エンゼルス大谷翔平の“23年残留交渉”でNPBが大騒動になるワケ

 大谷翔平の去就問題が日本球界にも影響を及ぼしそうだ。

 エンゼルスとの契約は2022年シーズン終了まで残っているものの、現地時間9月26日のマリナーズ戦後、好投しても勝ち星につながらない状況について聞かれ、チーム愛を語ったあと、「それ以上に勝ちたいっていう気持ちのほうが強いですし」と“意味シンなコメント”も残している。以後、米メディアは「エンゼルスは23年以降も契約できるのか?」とさまざまな考察をし、それはシーズンが終了した今日も続いている。

「23年、大谷は本当に来るんですかね? 大谷がいるのといないのとでは大違い」(球界関係者)

 日本のプロ野球関係者も「23年以降の去就問題」を気にし始めた。

 今年7月、エンゼルスが23年シーズンの開幕戦を日本で開催する可能性について報じられた。オレンジカウンティ・レジスター電子版(同13日付)によれば、「MLB機構が日本開幕戦を行う方向で交渉中」とし、日本のプロ野球関係者も「自分は聞いていない」と前置きしつつも、「もし実現するのなら、大歓迎」と好意的な見方をしていた。

「日本開幕戦を行うチームの一つがエンゼルスになりそうだというのです。日本のファンも大谷をナマで観たいと思っているはず。かつて、イチローのいたマリナーズが日本開幕戦を行った際、NPBチームと親善的なオープン戦をやってくれました。大谷が凱旋帰国するとなれば、NPBにとっても、大きなビジネスとなるでしょう」(同前)

 しかし、23年は現在の2年契約が終わっている。エンゼルスが慰留に失敗すれば、日本のファンの23年MLB開幕戦への興味は半減することにも。

「NPBはすでに来シーズンのペナントレースの日程を発表しています。先行して準備しなければならないことがたくさんあるからです。詳細な打ち合わせは22年下半期で構わないが、せめて、同年シーズンが終了する前に決まっていてほしいというのが、NPB側の気持ちでしょう」(ベテラン記者)

 言い方を変えれば、エンゼルスはそれまでに「大谷がいるのか、いないのか」をハッキリさせなければならないわけだ。

「23年の日本開幕戦? 第一報が出た後、その話は何も進んでいないと思われます」(在米ライター)

 全ては、大谷の去就次第。新型コロナウイルス禍がおさまっているかも心配だが、大谷がエンゼルス以外とも交渉するつもりなら、争奪戦は必至。23年2月のキャンプインのギリギリまでまとまらない可能性もある。そのときは、日本球界も大騒動になりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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