二刀流の競演か? レッズからフリーエージェントとなり、ロックアウト前にエンゼルスと契約したマイケル・ローレンゼン投手が、米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」の取材に応じ、野手併用への意気込みを語っていた。ローレンゼンも二刀流に挑戦するというわけだ。
「エンゼルスのジョー・マドン監督には『外野手の準備も進めている』と伝えている、とありました。マドン監督がそれに反対したとは書いてなかったので、ローレンゼンも二刀流になる可能性は高そうです」(在米ライター)
ローレンゼンは2015年にメジャーデビューし、「打撃力の高い投手」と位置づけられていた。実際に野手でスタメン出場した経験もあり、2018年は打率2割9分、本塁打4、打点10の成績を残している。もっとも、大谷のような投手と野手の両方で主力を務めてきたのではなく、投手としては先発ローテーション定着を目指し、野手では「もっと出場させてくれ!」と訴えてきた。
「20年シーズンはツーウェイ(二刀流)の選手登録をしてもらえず、投手一本でした。先発として結果を出せず、ロングリリーフのような役目を務めたシーズンもありました。先発ローテーション入りのチャンスをもらっても活かしきれなかった印象です」(同)
先発投手としてのチャンス拡大、そして、ツーウェイ・プレーヤーとしての挑戦、これが新天地を求めた理由のようだ。
その意味では、大谷翔平のいるエンゼルスなら理解者も多そうだが、こんな指摘も聞かれた。
「彼は敬虔なクリスチャンです。少年時代は荒んだ生活を送り、信仰に出逢ってから野球に専念するようになったといいます。年齢を重ね、制球力、変化球のキレともに成長しています。人柄もよいので、チームが困っていると知れば、リリーバーも受け入れるのでは。ローレンゼンが先発投手として定着できなかったのは、性格のよさも影響しています」(現地取材記者)
マドン監督は大谷の登板間隔が二刀流によって不定期となり、ローテーションのやり繰りに苦しんでいた。エンゼルスは投手の補強を続けているが、二刀流が2人になれば、指揮官の苦労は“ツーウェイ”では済まないだろう。
(スポーツライター・飯山満)