トレード期限は、タイムアウト。大谷翔平のエンゼルス残留が決定した。しかし、これは“去就問題・シーズン2”の幕開けとも言えそうだ。
「エンゼルスは5勝を挙げていた先発のシンダーガード、レギュラー外野手であるマーシュ、クローザーのイグレシアスを放出し、4人の若手とベテラン投手1人を得ました。主軸打者のトラウト、レンドンも故障離脱中であり、大谷が目標とするポストシーズン・マッチ進出は絶望的です」(米国人ライター)
メジャーリーグでは優勝争いから脱落したチームが主力選手を手放し、来季以降に向けて有望な若手との交換トレードを行うのはよくある話。下位低迷のエンゼルスも「来季以降」に舵を切り、投打の両方の主軸である大谷を失ったら、それこそチームが壊滅してしまうと判断したのだろう。
「今季は大谷を残すと判断したわけです。その選択の是非はともかく、2022年中に結論を出さなければならない問題が発生しました。大谷との契約は2023年まで。フリーエージェントになったら、エンゼルスには大した見返りもありません。22年オフに大谷をトレード放出し、有望な若手をもらうのか、それとも2023年オフの契約満了前に長期契約を結ぶのか? エンゼルスにはその二択しかありません」(前出・同)
現在の活躍ぶりから、大谷の新年俸は「60億円は下らない」と言われている。同時に伝えられるのは「エンゼルスは払いきれないだろう」という声。「契約満了、残留交渉決裂」で投打両方の中核選手を喪失するだけなら、不本意でも22年オフにトレード放出し、見返りとして好選手を得たほうが良い‥‥。そんなソロバン勘定が働くのではないだろうか。
「シンダーガード、マーシュらが去って、ポストシーズン・マッチ進出に必要なワイルドカード争いも難しくなりました。大谷のモチベーションが心配」
日本球界からも心配のそんな心配の声が聞かれた。
緊張感のない消化試合が続けば、エンゼルスよりも先に大谷が結論を出してしまいそうだ。
(スポーツライター・飯山満)