NHK集金も影響?「BSスカパー!」終了はBS・CS放送の“終わりの始まり”か

 衛星通信事業のスカパーJSATは4月28日、「スカパー!」各チャンネルの番組紹介やオリジナル番組を放送してきた「BSスカパー!」を今年10月31日で終了すると発表した。これにネット上ではBS/CS放送の終焉を指摘する声が相次いでいる。

「BSスカパー!」は2011年10月に放送を開始した、基本的には「スカパー!」の契約者であれば無料で視聴できるチャンネル。各チャンネルのおすすめ番組を紹介するなど「ショーウィンドー的な機能を担っていた」というが、「一定の役割を終えたと判断した」として終了を決めたという。なお、「BSスカパー!」以外の全てのチャンネル(合計144チャンネル)は、これまでと変わらず視聴できるという。

「スカパー!は加入者数の減少が続いており、同社が発表している年度別加入件数推移によれば、2010年度の『スカパー!』『プレミアムサービス』『プレミアムサービス光』を合計した加入者は372万でしたが、20年度には310万人とこの10年でおよそ60万人も減少。そんな中で『BSスカパー!』の放送終了はコスト削減の意味合いも大きいのではないでしょうか。現在、スカパーJSATは宇宙事業に軸足を移しつつあり、メディア事業への積極的な費用投下は考えていないと見られていますし、昨年10月からは有料動画配信サービス『SPOOX』も開始していますからね」(経済ジャーナリスト)

 なお、BSスカパー!の放送終了にネット上では、《BS/CS放送はパラボナアンテナを設置しなければならないし、設置場所や天候によっては映りが悪いこともある。アプリをダウンロードするだけで視聴がすぐ始められる動画配信サービスに乗り換えられるのは必然》といった声も多く、中には《パラボナアンテナの設置が必要で、付けたらたとえ観ていなくてもNHKのBS料金まで払うようしつこく集金人が来る。BS/CS放送がオワコン化したのはNHKの罪も重いと思う》などBS/CS放送が衰退した理由にNHKにも責任の一端があるといった意見も見られた。

 確かに、よほど魅力的な放送がなければ、これからアンテナを設置してBS/CS放送を契約しようという人もなかなか現れないのかもしれない。

(小林洋三)

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