女子ゴルフ「黄金世代」ツウぶれる10の知識(1)松田鈴英は黄金世代に入らない?

【1】黄金世代は12人いる!

 そもそも「黄金世代」とは、98年4月〜99年3月生まれの同学年の女子ゴルファーたちを指す。

 それでは、いくらなんでも幅が広すぎる。そこで、今季ツアーにフル参戦できる資格を持つ同学年ゴルファーを、現在の「黄金世代」と呼んでもいいだろう。その数は12人。でも、全員の名前をソラで言うのは至難の業なので、ツウを気取るには、

「正確には松田鈴英(21)は黄金世代に入らないんですよね」

 と付け加えれば、一目置かれることは間違いない。ゴルフライターが解説する。

「黄金世代が一発合格したプロテストは、17年度の89期。松田も89期に受かったのですが、実際には97年生まれで、1学年上なんです。一時は松田も『黄金世代』と報じられ、混同されることが多いのですが、最近は生まれ年で世代を区別することが定着しています」

 いや、もっとツウぶりたい人向けに、こんな豆知識を授けたい。

「最初に『黄金世代』と報じたのは、14年8月30日付のスポーツ報知」

 当時、興南高校1年生だった新垣比菜(20)がアマでありながら、ツアー初日に首位と3打差の3位で好発進したことを伝える記事で、「黄金世代」という文言が飛び出したのだ。

「同年4月に、同学年だった勝みなみ(20)がツアー最年少優勝を飾っていたことで『黄金世代からまた1人』と報じたのです」(ゴルフ誌編集者)

【2】米ツアー3勝・国内ツアー12勝は超ド級

「黄金世代」と呼ばれるからには、もちろんゴルフの実力があってのこと。6月2日の「リゾートトラストレディス」で、原英莉花(20)が「黄金世代」7人目のツアー優勝を飾ったことが大きく報じられた。が、内訳を見ると、さらにスゴい。畑岡奈紗(20)は米ツアー3勝に加えて国内ツアー3勝。勝が国内4勝。新垣と大里桃子(20)が昨年、河本結(20)と渋野日向子(20)が今年になって初優勝。「黄金世代」の優勝回数は超ド級なのだ。

「04〜06年に同学年の宮里藍(33)と横峯さくら(33)の2人でツアー18勝をあげたことはあったが、デビューから数年でこれだけの人数の優勝者が誕生した世代は他にはありません」(スポーツ紙記者)

 その強さは世界ランクを見ても納得。6月4日時点で畑岡が7位、勝が45位、河本が65位、小祝さくら(21)が75位につけている。ゴルフライターが言う。

「東京五輪出場枠は2人。来年6月の世界ランクで決まるのですが、畑岡は当確。今季2勝の勝が、28位の鈴木愛と41位の比嘉真美子の先輩ゴルファーを猛追中です。東京五輪枠を『黄金世代』が独占するのも夢ではありません」

【3】「黄金世代」の別称

 この年代が粒ぞろいなのは、ゴルフを始めた時期と関わりがある。それは「黄金世代」がちょうど小学生だった頃のこと。当時、宮里が「藍ちゃん旋風」を巻き起こしていたのだ。ゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏が解説する。

「宮里に影響を受けてゴルフを始めた世代ということが大きい。同じことは韓国でもある。98年に朴セリ(41)が全米女子オープンを史上最年少記録で優勝し、その後も米ツアーで活躍。一気にゴルフブームが起こり、若手が台頭し、『朴セリキッズ』と称されました。日本で活躍するイ・ボミ(30)やキム・ハヌル(30)が、まさにその世代です」

 新垣や小祝は「宮里を尊敬している」と公言。言うなれば、「黄金世代」は「藍ちゃんチルドレン」なのだ。

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