「電動キックボード」“無免許ノーヘルOK”道交法改正に噴出した疑問の声

 4月19日、電動キックボードなどの新たなルールを定める道路交通法の改正案が衆議院で可決された。これにより、16歳以上であれば免許不要、ヘルメットもなしで電動キックボードの運転が可能となるが、ネット上では疑問の声が相次いでいる。

「改正法では、最高速度20キロ以下などの基準を満たした電動キックボードは『特定小型原動機付自転車』という新たに設けられた車両区分になり、16歳未満の運転は禁じられますが、16歳以上であれば免許なしでの運転が可能になります。ヘルメットの着用は努力義務となっていますが、判断は任意なのでノーヘルでも問題ありません」(情報誌ライター)

 また、電動キックボードは原則車道を走るように定められているが、最高速度が6キロ以下に制御されている場合は自転車が通行可能な歩道の走行もできるようになり、これらの新ルールは2年以内に施行されるというが、ネット上では《事故が急増する未来しか見えない》《自転車ですらまともに交通ルールが守られていないのに、公道走行を可能にしかも無免許なんて、考えただけでも恐ろしい》《ほぼほぼ原付と変わらないのにノーヘル、無免でOKの意味が分からん》など改正に否定的な意見が圧倒していた。

「電動アシスト自転車が免許もヘルメットも不要なのでそれに合わせたのかもしれませんが、電動キックボードは車輪が小さく不安定で濡れた路面にも弱いことから、ノーヘルでの運転では重大な事故が起こる可能性もあります。警視庁が今年1月に発表した電動キックボードによる交通違反や交通事故発生状況によれば、21年に都内で発生した電動キックボードによる違反は207件で、事故は68件だったことが明らかになっています。最近ではテレビでも若者による電動キックボードの危険運転がたびたび取り上げられていますが、都内だけでこれだけの違反と事故が起きているのです。施行までは2年以内と時間がありませんが、まずはルールの通知を徹底することと、できる限り新ルールに合わせた道路の整備も必要になるのではないでしょうか」(社会部記者)

 警察による取り締まりの強化も必要になるだろう。

(小林洋三)

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