ピンク店疑惑も拡散! 韓国次期大統領が抱える「ファーストレディリスク」とは

 今月9日に投開票された韓国大統領選で、大接戦の末、勝利を手にした保守系最大野党「国民の力」候補の尹錫悦氏。ただ、今回の選挙戦では、候補者らによる政策論争よりも、妻たちのネガティブキャンペーン争いに国民の関心が集中。その主役となったのが、尹氏の妻で次期ファーストレディとなる金建希氏だ。

 金氏は2013年3月に尹氏と結婚。大統領選挙の2日後に結婚記念日を迎えたが、結婚当時、最高検察庁中央捜査第1課長だった尹氏は53歳、金氏は41歳。

「金氏は夫より12歳も若く、美しい容姿には華があり、整形疑惑も噴出していました。ところが昨年6月、ネット上に『大人のサービス店のホステス出身』という噂までが流れ、慌てた彼女がインターネットメディアで事実無根だと反論する騒ぎになったんです」(韓国事情に詳しいジャーナリスト)

 さらに、昨年12月には韓国のニュース専門テレビ局「YTN」が、金氏の経歴詐称疑惑を報道。それによれば、金氏は2007年からおよそ1年間、水原女子大学の広告映像科で教授として在職したが、同大学へ採用される前、別の大学にも教授任用志願書を提出しており、そこにはニセの経歴が記載されていたというのだ。

「YTNが公開した資料によれば、金さんは改名前の『キム・ミョンシン』名で教授任用志願書を提出した際、経歴事項に2002年3月から3年間、韓国ゲーム産業協会 企画チーム 企画理事を務めていたと記述しているのですが、実は同協会が設立されたのは2004年6月。彼女は設立前から勤務していたと釈明したものの、あまりにも無理がありました。また、志願書に書かれた『企画理事』という肩書も存在しないことがYTNによって確認されています」(同)

 さらには、経歴書にある「ソウル国際漫画アニメーションフェスティバル大賞」という受賞歴も、自身が個人で受賞したものではなく、過去に勤務した制作会社の複数社員の共作だったこと。また、疑いの目はニューヨーク大学の学位取得にも向けられるなど疑惑噴出で、金氏は記者会見を余儀なくされたのである。

 会見が行われた昨年12月26日、髪をバッサリ切って地味な黒のパンツスーツ姿で会見場に現れた金氏は、職歴や受賞歴に関して『よく見せようと経歴を膨らませて誤りを書いたことがあった』と、過去の求職活動での経歴詐称を認めて謝罪。さらには『愛し尊敬する尹錫悦の前で私の過ちは余りにも恥ずかしい。すべては私のせい。どうか許してほしい』と訴え、夫の尹錫悦氏とのなれそめにも言及。流産を経験した辛い過去まで明かしたものの、解明されない疑惑があまりに多く、世間の心証は解消されないままに終わりました」(同)

 ところがその後、メディアとの私的な通話内容がテレビで暴露されると、状況が一変。そのサバサバとした物言いに「夫人は潔い」「結構いい人なんじゃないの」という意見が広がり、金建希夫人の非公式ファンクラブ会員が急増することに。これが大統領選の追い風となったことは報じられたとおりだ。

「とはいえ、夫人の疑惑がすべて晴れたわけではありませんからね。ファーストレディになれば、メディアによる追及がさらに厳しくなることは必至です。たしかに、今回の選挙戦では夫人の存在が追い風になったことは事実。しかし、これは諸刃の剣で、大統領就任後はアキレス腱に変わる可能性は大いにありますね」(同)

 韓国メディアの取材に対し「夫が大統領になっても妻の役割だけを忠実にこなす」として、表舞台に出ないことを宣言している金氏だが、“妻リスク”に対し、国民の厳しい目が向けられることは間違いないだろう。

(灯倫太郎)

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