栃木VS福岡の「イチゴ戦争」激化、農水省の統計ミスで衝撃の結末に!

 53年連続で日本一! 都道府県魅力度ランキングでは最下位争いを繰り広げる栃木県だが、ことイチゴの算出になると「絶対王者」だ。主力ブランドは言わずと知れた「とちおとめ」で、「あまおう」を擁する福岡県がこれを追う、という構図がこの数年定着している。

 ところが20年はとうとう栃木県が首位から陥落して、晴れて福岡県が王者奪還! と思いきや、後になってこれがひっくり返り、結局は栃木県が首位だったことが判明するという珍事があった。

「昨年12月に農水省が公表した20年の農業産出額で、イチゴの金額に誤りがあることが3月に入って分かったのです。最初212億円とされた栃木県の産出額は実際は238億円で、福岡県の231億円を上回ることになりました。最初の公表に栃木県の担当者が疑問に思って今年1月に確認や説明を申し入れていたところ、関東農政局の方で入力ミスがあることが分かったのです」(全国紙記者)

 当初の公表をそのまま鵜呑みにしていたら誤った数字がまかり通ることになっていたわけだから、何とも怖い話だ。イチゴでは他県も合わせて7県で数字の誤りがあり、コメでもあったという、またもやの行政の「統計ミス」。一体どうなっているのかと開いた口が塞がらないが、いずれにせよ、福岡県関係者はぬか喜びさせられてさぞかし気落ちしただろうし、栃木県関係者は反対にホッと胸を撫でおろしただろう。

「イチゴを巡っては、10年ほど前から全国各地で品種改良が行われてブランド競争が繰り広げられています。他県で有名なところでは、熊本県のゆうべに、静岡県の紅ほっぺ、長崎県のゆめのかといったところでしょうか。12年の生産シェアでは、栃木県が16%で福岡県が11%でした。その両県も、栃木県が女峰からとちおとめに、福岡県がとよのかからあまおうへとブランド開発を競ってきました」(経済ジャーナリスト)

 まさに百花繚乱の戦国時代といった様相で、近いうちにやはり栃木県が首位陥落といったこともあり得るかもしれない。
 
(猫間滋)

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