2月28日、NTTモバイル社会研究所は2021年11月に実施した親と子に関する調査結果を発表し、調査開始以来はじめて小学生のスマホ所持率がキッズケータイを上回ったことが明らかとなった。
「同調査によると、21年の小学生低学年のスマホ所有率は15%、高学年は33%となり、キッズケータイの低学年所有率11%、高学年所有率18%をそれぞれ抜いて、初めてスマホ所有率が上回る結果となりました。なお、小学生の子どもに親がスマホを持たせる理由としては、『緊急時の連絡のため』が55%と過半数を超え、次いで『今いる場所の把握のため』が35%と2番目に多い理由となっています」(ITジャーナリスト)
とはいえ、緊急時の連絡や今いる場所の把握はキッズケータイでも可能なため、実際には3番目に多い『友達が持ち始めたため』という理由が大きいのかもしれない。なお、スマホカバーなどを製造・販売する「Hamee」の調査でも、スマホデビューの最多は小学1年生の21.2%で、スマホを所持する小学生の5割が低学年で持ち始めるという結果が出ており、スマホ保有の低年齢化が進んでいることが明らかとなっている。
「しかし、小学生にスマホを持たせるのは大きなリスクがあることも理解しなければなりません。昨年3月に警察庁から発表された『令和2年における少年非行、児童虐待および子どもの性被害の状況』によると、SNSに起因する事犯の被害を受けた18歳未満の子どもは1819人と過去最多となっています。また、スマホを持たせることで子どものスマホ依存が広がっていて、低年齢ほど依存の治療が難しいとも言われており、スマホを取り上げたことで家族関係が悪化するというケースも増えているのです。スマホは親と子のコミュニケーションにおいても非常に便利なツールですが、持たせる前からしっかりとルールを作り適切な使用ができるように親が見守る必要があります」(前出・ITジャーナリスト)
子どもにねだられたからと簡単にスマホを持たせてしまうのは危険かもしれない。
(小林洋三)