「裏切者」と罵倒!谷愛凌「100億稼いで米国へ」報道で思い出す日本人帰化選手

 北京五輪フリースタイルスキーで金メダル2個(ビッグエア、ハーフパイプ)、銀メダル1個(スロープスタイル)を獲得し、一躍世界的な人気者となった中国代表のアイリーン・グー(谷愛凌・18)。

 ところが、彼女が米USAトゥデイのインタビューで「五輪後は米国に戻ってスタンフォード大学で勉強を続ける予定。スキーが好きなのは事実だが、今後競技に出場するかははっきり言えない」と答えたことで、中国国内で「裏切り者」「食い逃げ女」「金だけを考える米国ハーフを信じるんじゃなかった」といった猛批判が勃発。そうした声は大きくなるばかりだ。

 アイリーンは米サンフランシスコ出身で、父親は米国人で母親は中国人。米国国籍を持つ彼女は、幼少期から米国でスキーを学び、2019年に初めて中国代表として大会に出場。そして今大会は“ホーム”の声援を後押しに、史上初めてひとつの大会で3個のメダルを獲得するという偉業を成し遂げた。

「スキーだけでなく、彼女はその美貌から有名モデルエージェンシーに所属し、モデルとしても活躍。フェンディやグッチなどのモデルとして活躍する一方、『ELLE』や『VOGUE』などファッション誌のカバーモデルも務めてきた。今回の五輪でも特別待遇で、ルイ・ヴィトンやティファニーなど24のブランドと広告契約を結び、その収益は日本円で約38億円とも。さらにメダル獲得で、115億円稼いだと試算する現地メディアもありました」(中国事情に詳しいジャーナリスト)

 つまり、中国政府がお膳立てしたおかげで大金を手にしたにもかかわらず、その恩を忘れ米国に戻るとは何事だ!というわけである。

 だが、五輪に限らずスポーツの世界では、自国の選手層が厚いため大会出場は無理と考え、国籍を変えて出場するというケースは珍しいことではない。

「逆に、国際大会において自国チームを強化したいとする国が、外国籍の有力選手に働きかけ帰化させるというケースもあります。サッカーのワールドカップに出場するために、外国の有力選手を帰化させるというケースは特に目立ちました。つまり、中国にメダルをもたらしたアイリーンの件も、選手本人と中国の利害が一致していたとも見られます」(同)

 国籍を変えて五輪を目指すパターンとしては、カンボジア国籍を取得したタレントの猫ひろしが記憶に新しい。

 猫がバラエティ番組をきっかけに始めたマラソンに、本格的に取り組みはじめたのは2000年代後半。以降、アマチュア陸上選手として数々の大会で優秀な成績を収め、2011年11月、翌年8月に開催予定のロンドン五輪出場を目指し、日本国籍を離脱しカンボジアに帰化。

「ただし、実績や居住年数などの点で要件を満たしていなかったため、残念ながらロンドンには出場できませんでしたが、2016年リオ五輪の男子マラソン・カンボジア代表に選出され、本名の 『Kuniaki Takizaki』でエントリー。一旦全選手中最下位になりながらも、最後は追い上げて2時間45分55秒、140人中139位でゴールしました」(同)

 その後、猫はカンボジア国籍のまま、日本で永住権を取得。現在は日本に拠点を置いて活動しているが、もちろんカンボジアからの批判などは一切ないようだ。

(灯倫太郎)

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