「インチキ検査キット」横行でオミクロン株が爆発 “2022年のリスク”核心証言

 次々と変異株が生まれる新型コロナウイルス。すでに24あるギリシャ文字のうち15番目のο(オミクロン)まで命名された。次は円周率でおなじみのπ(パイ)を含めて残り9文字。最後のω(オメガ)まで使ったら、その後どうなるのか。

 新型コロナに名前を付けているのは世界保健機関(WHO)で、従来のワクチンが効かず感染力や殺傷力が異常に高いなどの変異株が登場した場合にのみ、ギリシャ文字で名前をつけている。WHOの新興感染症と人畜共通感染症ユニット責任者のマリア・ヴァン・ケルコフ博士は今年8月、イギリス「テレグラフ」紙の取材に応じた際、「次」について明かしている。

「星の名前であるギリシャ神話の神の名をつけることも考えたが、記者会見などの公の場で神々の名前を言いたくはない。次は星座を検討している」

 牡羊座株、ふたご座株という新型コロナウイルスが出現する前に、ギリシャ文字だけで脅威は終わってほしいところだが‥‥。

 コロナ医療の最前線では、大な異変が起きていた。

「看護師転職サイトに、今まで見たこともない有名大学病院の看護師募集が掲載されるようになりました」

 こう話すのは、現役看護師で医療ジャーナリストの那須優子氏だ。その理由について、

「同居する家族が通う保育園や学校、職場で集団感染が起きた際の休業補償がないのです。コロナ陽性患者の濃厚接触者だと保健所が認定すると休業補償が出ますが、それ以外は無給。第5波では保健所が機能不全に陥ったため『患者に感染させる危険があるかどうかは自分で判断して』と、暗に自発的な休職を迫られた。そのくせ健康保険や年金など、毎月の社会保険料は請求されました。それならコロナが落ち着くまで働くのはやめよう、となる」

 事実、大学病院を見限る医師、看護師も出てきている。

「大学病院や総合病院の看護師が不足している一方で、クリニックや介護施設では充足しています。大病院の看護師は、なすすべもなく亡くなっていく患者さんを目の当たりにするなどしてメンタルを病んだ。『クリニックや施設でのんびり働きたい』と、この2年で看護師の大移動が起きました」(病院スタッフ)

 特に今春、存亡にかかわる危機的状況を迎える大学病院が2つあると、前出の那須氏は言うのだ。

「日本大学の付属病院と東京女子医科大学病院です。日大板橋病院は田中英寿前理事長らの脱税事件と、新病院建設に伴う背任事件の舞台となったところ。実は患者が殺到しないよう伏せられていたものの、新型コロナ第5波で一般病棟をコロナ専用病棟にして医師も看護師も技師も一丸となってコロナと闘ってきました。ところが残業代も休日出勤の代休も認めないブラックぶり。事件の関係者のように見られた上に、コロナで収益が下がったと、賞与も満足に支払われませんでした。女子医大も似たような状況で、すでに同病院の看板診療科だった膠原病の外来診療に支障が出ています。病棟閉鎖、一部の外来診療休止に陥るほど医師と看護師の大量離職が出るのはやむを得ません」

 そして決意を固めた日大板橋病院の医師は、

「患者に『自分が辞めた時のために、他病院への紹介状を書きます』と、今から伝えているそうです」(前出・那須氏)

 大量の激怒退職が、名門大学病院を潰しかねない。

 今やコロナ対策に検査キットは必要不可欠になったが、

「実は私たちがPCR検査だと思っている検査の半分は、PCRではないのです」

 と衝撃の事実を暴露するのは、前出の那須氏である。

「海外からの帰国者、入国者に空港検疫で用いられているのは、PCR検査キットではなく抗原検査キット。PCR検査をやりますと謳いながら、実際には抗原検査をしているクリニックもあります」

 この抗原検査キット、メーカーによって精度が50%から90%まで、ピンキリだという。

「検査の精度が高い医療用検査キットは保健所など、公的機関で使われます。では市販されているキットは医療用ではないのかというと、その通り。国内外の研究機関が作った研究用の試作品が、新型コロナの患者急増で見切り発車的に流通している。精度を高めるとなれば5ミリリットル以上の唾液を必要とするので、少量の唾液でコロナ陽性がわかると謳っているものは精度が低い『インチキ』といえます」(前出・那須氏)

 再び恐怖が蔓延する中、オミクロン株の爆発に、インチキ検査キットが拍車をかける─。

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