ホームセンター大手のカインズは12月22日、東急不動産ホールディングスから生活雑貨を販売する「東急ハンズ」を買収すると発表した。
かつては「ハンズで取り扱ってもらえる商品は流行する」と言われるなど一時代を築いた人気店だったため、今回の買収には驚きの声も少なくない。
「カインズは国内に227店舗を展開する国内最大手ですが、地方や郊外の店舗が多く、都市部は手薄な状態となっていました。そのため、新宿や渋谷など都市部の駅チカ物件を中心に展開する東急ハンズの買収は願ったり叶ったりで、同社の高家正行社長は記者会見で『相互補完性が非常に高い』と期待を込めていました」(経済ライター)
東急ハンズは1976年に東急不動産の100%子会社として創業。ロゴマークにもあるように「手の復権」というテーマを掲げて建材や工具をメインに多彩な商品を販売し、DIYブームの火付け役ともなっていた。
しかし近年は、カインズやDCMグループなどホームセンター業界は熾烈な争いを繰り広げ、加えてインターネット通販の普及や新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって業績が大幅に悪化し、今年10月には主要店のひとつだった池袋店が閉店していた。
「カインズが東急ハンズを買収することにネット上では、《何でも売ってるハンズがついには会社ごと売られることになるとは…》《ひとつの時代が終わった感じがする。カインズが買収したというのも衝撃的》など驚きの声が相次ぎ、東急グループを離れ、名称も変更される予定であることから《東急ハンズが東急ハンズじゃなくなるなんて信じられない》といった声も見られます。
ハンズという略称は世間に浸透しているため、名前の一部は残す可能性もありでしょうが、カインズハンズでは語呂が悪いですからね。ともかく、近いうちに東急ハンズという名前がなくなるというのは、ブームを見てきた30〜40代にとってはショックに違いありません」(経済ジャーナリスト)
果たして東急ハンズはどんな店名になって生まれかわるのだろうか。
(小林洋三)