松中 同じ菊花賞組でも、私はステラヴェローチェのほうを上位にみています。皐月賞、ダービーともに3着という実績をナメてもらっちゃ困りますね。
渡辺 クロノジェネシスと同じバゴ産駒だ。
松中 そうなんですよ。菊花賞の4着だって、不良馬場の神戸新聞杯(1着)の疲れがあった中、上がり最速を記録していることを思えば、侮れないと思います。
水戸 菊花賞はボロ負けしたわけじゃないし、こういう馬が怖いんだよな。私もタイトルホルダーより、こっちを評価したい。
渡辺 二人とも評価が高いようですが、この馬も人気でしょう。4、5番人気ですかね。であれば、前走のエリザベス女王杯でキズナ産駒初のGⅠ制覇を成し遂げたアカイイトを穴馬として指名します。
水戸 上昇曲線を描いていた前走こそが走り頃で、一世一代の大駆け、という印象のほうが強いかな。
松中 位置取りがちょっと後ろすぎませんかね。ペースが速くなったらわからないでもないですけど。
渡辺 まさに漁夫の利ですよ。ヘンに色気を出して位置を取りに行ったらダメでしょうけど、前走GⅠを勝った馬が、あまりにもナメられてるようであれば馬券的にはおいしいですから。
松中 キズナ産駒なら、比較的前で競馬をするディープボンドを狙いたいですね。正攻法のレース運びで器用さもありますし、逃げ馬たちが後続をかなり離して4コーナーで2強が「これ、追いつけるかな」みたいな展開になった時、いちばんチャンスがあるのが、この馬だと思うんです。
渡辺 暮れの中山は合いそうだよね。
水戸 日本的な古めかしい血統で、フォワ賞を勝った時は驚いたけど、二走ボケだったのか、凱旋門賞は負けすぎ。ただ、帰国後は順調に調整されていて調子も悪くないみたいだぞ。
松中 なら、チャンスはありますね(笑)。では、水戸さんの穴中の穴馬は?
水戸 ウインキートスに期待する。前走のエリザベス女王杯は10着に敗れたけど、状態はよかったんだ。宗像調教師は「関西までの輸送がこたえたかな」と言っていたけど、それまでの競馬とは違って、ちょっと消極的だったよな。今回、内めの枠に入って好位でジッとしていれば、一発があっても不思議はない。
松中 中山は〈2512〉と好成績ですし、オールカマー(2着)でも、いい脚を使っていましたよね。
渡辺 そうだね。でも〝サラキア臭〟的にはシャドウディーヴァのほうかな。鞍上も横山典騎手ですし。
松中 この馬の買いどころがわからないんですよね。
水戸 今回、初めてブリンカーをつけるから、一変があっても不思議じゃない。
松中 えーっ、買いどころはここなんですか。
渡辺 人気はしないだろうし、もし2強に割って入ったら‥‥あっ、なんか、ほんとに臭ってきた(笑)。
キャプテン渡辺:ピン芸人。競馬歴は26年目。今年の新潟記念は馬連2点で万馬券を的中させ計83万円を獲得。テレビ東京「ウイニング競馬」に出演中。
松中みなみ:タレント。競馬歴は11年目。19年の有馬記念では本命にリスグラシューを指名して帯封をゲット。「サンスポZBAT!競馬」で予想を公開中。
水戸正晴:サンケイスポーツ記者。競馬記者歴は47年目。穴党にファンが多く、愛称は「水戸万助」。週刊アサヒ芸能連載「『絶対万券』論」を執筆中。
*「週刊アサヒ芸能」12月30日・1月6日合併号より