有馬記念「お宝馬券」をあぶり出す(2)「逃げ馬タイトルホルダーが菊花賞を再現」

渡辺 僕は本命をまだ迷っているので、水戸さん、お先にどうぞ。

水戸 私はアリストテレスだ。2頭が抜けた存在だけど、フロックじゃなくて実力で負かせる馬を素直に考えたら、この馬しかいないと思うんだ。母系にフサイチコンコルド(ダービー)やアンライバルド(皐月賞)を輩出したバレークイーンがいる良血でもある。

松中 昨年の菊花賞では、コントレイルにクビ差の2着。年明けのAJCCで初重賞制覇と、中山実績もありますからね。

水戸 そのあとの阪神大賞典から宝塚記念までは【7】【4】【9】着とイマイチだったけど、それは菊花賞の激走と不良馬場で行われたAJCCのダメージが蓄積されたことによる影響だと思う。夏場を休ませて秋初戦の京都大賞典で2着、前走のジャパンCは9着に負けたけど、プラス8キロで出走できたように、ようやく疲れが抜けて芯が入ってきたから、上がり目はすごくあると思う。

渡辺 京都大賞典はレースレベルに疑問符がつきますし、この馬は〝菊花賞の幻影〟にずっと惑わされている気がするんですよ。

松中 そう、どこまで引っ張ればいいのか、わからなくなっちゃいますよね。

水戸 穴を出すパターンというのは、下からの上がり馬か、実力があるのに低迷していたのが本来の調子に戻った時。昨年のサラキア(11番人気2着)や14年のトゥザワールド(9番人気2着)もそうだった。

松中 去年の有馬記念は、サラキアに★印を打って当てたんですよね。3連単の3着につけようかな‥‥。

渡辺 もし買うなら1着固定、来るなら頭でしょう。それぐらい覚醒していないと、馬券にすら絡まないと思うんだけどなぁ。

水戸 そうだな。2強を負かす馬とニラんで、馬券は馬単&馬連で勝負したい。

渡辺 よし、僕はタイトルホルダーを本命に決めました。最終的には枠順なども含めて「ウイニング競馬」(テレビ東京)で発表しますが、やはり水戸さんがおっしゃるとおり、2強を負かすとなれば、その前で競馬をするこの馬かな、と。

松中 今回、逃げられますかね? パンサラッサの大逃げまであるかなーと思ってるんですけど。

渡辺 確かにテンの速さはパンサラッサのほうが上かもしれないけど、鞍上は思い切りのいい横山和騎手。枠順次第では逃げる可能性は十分あるでしょう。菊花賞を勝った時みたいに人気勢が捕まえられないシーンも全然ありますよ。

松中 でも、キセキも前に行きたいでしょうから、場合によっては、自分らしい競馬ができない可能性も考えてしまいます。

水戸 そうだな。菊花賞はノーマークだったことと距離が味方したけど、今回はそこまで楽な競馬はさせてもらえないんじゃないか。

渡辺 まずキセキですけど、ジャパンC(10着)のあと、和田騎手と「わだラジ」(netkeiba.com)で話したら、スタートの時「頑として動かなかった」そうなんです。なので今回も逃げられないんじゃないかと。それに、タイトルホルダーのほうがエフフォーリアよりも距離適性では上でしょう。

松中 それは言えますね。

渡辺 菊花賞馬の成績は過去10年で〈3020〉と複勝率は100%ですし、皐月賞(2着)のリベンジがあると思います。

キャプテン渡辺:ピン芸人。競馬歴は26年目。今年の新潟記念は馬連2点で万馬券を的中させ計83万円を獲得。テレビ東京「ウイニング競馬」に出演中。

松中みなみ:タレント。競馬歴は11年目。19年の有馬記念では本命にリスグラシューを指名して帯封をゲット。「サンスポZBAT!競馬」で予想を公開中。

水戸正晴:サンケイスポーツ記者。競馬記者歴は47年目。穴党にファンが多く、愛称は「水戸万助」。週刊アサヒ芸能連載「『絶対万券』論」を執筆中。

*「週刊アサヒ芸能」12月30日・1月6日合併号より。(3)に続く

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