12月18日、全日本空輸(ANA)は退職から5年以内であれば正社員として復職できる「カムバック制度」を導入する方針であることが明らかになった。しかし、傘下のANAホールディングスでは10月20日に行われた決算発表会で、25年度末までに従業員を約9000人削減する方針であることを発表していただけに疑問の声もあがっている。
「現在、ANAホールディングスではコロナの影響で22年3月期の連結最終損益が1000億円の赤字になる見通しであるなど業績不振に陥っており、社員の賃金も大幅にカットしていこともあって30~40代の主力社員の流出が相次いでいるのです。そのため、コロナ後の需要回復に備えて来年度から優秀な人材が復職しやすい環境を整えるとみられています」(社会部記者)
しかし、ANAの「カムバック制度」にネット上では《新たな雇用の調整弁制度、会社に都合よすぎでしょ》《コロナで会社都合でリストラしておいて、5年以内なら正社員として復職できるって…なんか、違和感を覚える》《一度退職金も精算していることから、復職してもまともな退職金は期待できなさそう》《コロナが落ち着いた時のために人材を確保したいんだろうけど、また再拡大したらクビ切られそう》と厳しい声も少なくない。
「航空関連はコロナで最も大きな打撃を受けた業界と言っても過言ではないことから、リストラは仕方のない部分もあり、コロナ後に需要が回復すれば人手が欲しいというのも正直なところでしょう。他社に転職してもそこで馴染めず元の会社に出戻るというケースは決して少なくありませんから、帰れる場所を用意しておくというのはANAにしても元社員にしても悪いことではないと思います。ただ、出戻ってきた社員に厳しい条件は突きつけず、それなりの待遇で迎えてあげてほしいですね」(経済ジャーナリスト)
お互いにウィンウィンであればいいが…。
(小林洋三)