大山のレフト守備は序の口? 矢野阪神が狙う「総コンバート」

 阪神の内野布陣が大幅な入れ換えになるかもしれない。秋季練習でテストされている大山悠輔のレフト守備はその前兆とも言えそうだ。

「秋季練習から大山が外野守備に入っています。早出をして、サードで約30分個人練習をしてから、全体練習で外野を守っています」(在阪記者)

 そんな大山の行動について、矢野燿大監督は「そういう悔しさを持ってチャレンジしてくれればいい」と話していた。額面通りに受け止めれば、打撃面を含めた今後の頑張り次第ではまたサードに戻ってこれそうだが、こんな指摘もある。

「大山の外野コンバートは、彼をこれからもスタメン起用していくためです。他に内野でレギュラー獲得してほしいと思っている選手がいるので」(関係者)

 佐藤輝明の三塁定着も予想されている。しかし、それだけではない。阪神首脳陣は来季プロ4年目を迎える小幡竜平にも期待している。

「小幡はタイミングの取り方に重点においた打撃フォームの改造に取り組んでいます。走攻守3拍子揃った逸材なんですが」(同)

 今季の一軍出場は43試合にとどまったが、二遊間での守備範囲の広さはチーム随一と言われている。入団当初から大きな期待を寄せられていたが、一軍に定着できていないのは打撃力不足によるもの。この秋季練習中、小幡がノックなどで音を上げそうになると、井上一樹ヘッドコーチが「(二塁レギュラーの)糸原を抜くんだろ?」とゲキを飛ばしていた。12球団ワーストの失策数を減らすキーマンとも目されているようだ。

「今季、打線を牽引したジェフリー・マルテの去就がハッキリしないと、コンバートは何も進まないのでは。マルテが残留すれば一塁は自動的に埋まり、退団となれば新しい外国人選手の補強次第でまたポジションを代えなければならない選手も出てくるでしょう」(前出・在阪記者)

 期待の若手はいるが、定位置獲得にはまだ時間が掛かりそうだ。しかし、大山を動かしたということは、矢野監督に若手を起用していく意向があるのだろう。ベテラン糸井の一塁コンバートも伝えられている。来季はショートの中野、センターの近本以外、トラの主力選手たちは別のポジションを守っているかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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