ザッカーバーグの資産が10兆円減!早くも「メタバース」に息切れの指摘

「Facebook」創業者でMeta社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏の資産が今年だけで約10兆円あまり減少していると、米「ブルームバーグ」が報じた。今年は多くのハイテク関連の富豪たちが資産を減らしているというが、同氏はその中でも際立っており、「メタバース分野に軸足を移したことで現実の世界では大きな代償を払っている」と指摘されている。

 ブルームバーグによると、今年これまでにザッカーバーグ氏の資産は710億ドル(約10兆1700億円)目減りし、ピークだった21年9月の1420億ドルから半減しているという。同氏の資産の大部分はMeta社の株式によるもので、米ハイテク関連の株価が軒並み下落していることや、Facebookのアクティブユーザーが100万人減少したこと、そして年間100億ドルを投資するザッカーバーグ氏肝いりのメタバースがあまり成果を上げられていないことが原因と見られている。

 昨年、同氏は世界長者番付の3位にランクインしていたが、今年はトップ10からも転落すると見られおり、ネット上でも《Meta社のメタバースはぶっちゃけ富士通がやってたハビタットと大差がないように思える。正直そこまで期待できる事業ではない》《メタバースに多額の金を注ぎ込んでいるけど、そこまで没入できる仮想現実を作れていない。富士通ハビタットより多少進んだくらいのイメージしかない》など、富士通ハビタットを引き合いにMeta社のメタバースが足を引っ張っていると指摘する声が相次いでいる。

「富士通ハビタットは1990年に富士通が運用を開始したニフティサーブ会員専用の仮想空間サービスです。ピクセルで描かれた2Dのアバターを操作して仮想の街の中でチャットを楽しめ、メタバースの元祖とも言われていますが、利用者が増えないままサービスを終了しました。今年8月には、ザッカーバーグ氏が自身のFacebookにMeta社のメタバースプラットフォーム『Horizon Worlds』での自撮り画像をアップしたところ、辛辣な声が相次ぐ事態にもなっています。30年以上に前に制作された富士通ハビタットから進化を感じられないと思っている人も少なくないようですね」(ITジャーナリスト)

 ザッカーバーグ氏もメタバースビジネスが収益を上げるのは10年以上先のことだと説明しているが、果たしてそこまでにどれだけ資産を維持できるのだろうか…。

(小林洋三)

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