倒産過去最多「結婚相談所」に代わる「マッチングアプリ」「メタバース婚活」の一長一短

 2023年の結婚相談所の倒産が過去最多となったことが分かった。スマホやPCから気軽にパートナーを探せる「マッチングアプリ」の利用者が急増していることが原因だが、マッチングアプリでのトラブルも後を絶たないなか、新たな出会いの形としてメタバース婚活にも注目が集まっている

「帝国データバンクの調査によると、23年に倒産した結婚相談所は11件にのぼり、調査開始以来過去最多だったという。休廃業・解散も加えると合計で22件となり、数多くの結婚相談所窓口が閉鎖したとみられています。原因としては、入会金・月会費・成約料など結婚相手が見つかるまでに多額の費用がかかることや、格安で早く出会えるマッチングアプリが台頭してきたことが挙げられます」(社会部記者)

 今や出会いの定番とも言われるマッチングアプリ。MMD研究所が昨年10月に発表したアンケート調査の結果によると、20代から30代の5割以上が利用経験があると回答しており、明治安田生命が同11月に発表した「いい夫婦の日」に関するアンケート調査によると、1年以内に結婚した夫婦の出会いのきかっけはマッチングアプリが職場の同僚・先輩・後輩と同率で1位となっている。しかし、結婚を真剣に考えている人にとってはミスマッチが多かったり、写真やプロフィールの詐称、詐欺被害に遭うケースなどもあり、必ずしも安心して婚活ができる場ではないようだ。

「そんな中、注目を集めているのがメタバース婚活です。顔や年齢、年収などは明かさず、仮想空間の中でアバターを通してコミュニケーションを図り、互いに気に入れば仮想空間内でデートをすることもできる。アバターでのやり取りなので緊張することもなく内面が知れるとあってマッチング率は7~9割程度あるといい、若い家族を呼び込みたい地方自治体も積極的に行っているのです。ただ、問題はアバターでデートを重ねても実際に会った時のギャップで破局してしまうことも多い点。アバターとリアルのギャップをどう乗り越えていくかが今後の課題だと思います」(ITジャーナリスト)

 メタバース婚活がもっと盛んになるためには、VRがさらに進化する必要があるかもしれない。

(小林洋三)

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