20年3月に東京・山手線の30番目の駅として「高輪ゲートウェイ駅」が開業した際には、「49年ぶりの新駅誕生!」ということでだいぶ話題になったものだが、この3月中に早くも31番目の新駅が登場するというのだが……。
「JR東は3月25日に新駅の『シン・秋葉原駅』を開業させる予定です。と言っても、今話題のメタバースの仮想空間上の話で、『シン』とあることから分かるように、ゴジラとコラボした仮想駅です」(週刊誌記者)
JR東と子会社のジェイアール東日本企画は、国内のメタバース企業として既にイベント開催や集客等で実績のある「HIKKY」と21年に業務提携を行っている。だから今回の試みは、提携による具体的な事業化ということになる。全体としては、電器の街・秋葉原を舞台にバーチャル空間の「Virtual AKIBA World」(VAW)なるものを構築するのだという。
そのコンテンツの1つとしての新駅ということなのだが、さらに『シン・ゴジラ』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』の4作品によって構成される「シン・ジャパン・ヒーローズ」ともコラボする。つまり例えてみれば、JR東が秋葉原駅という場所を提供し、そこにHIKKYが仮想空間を構築、そこに各ソフト会社が商品を提供するといったようなイメージだろうか。
「特徴としては、このバーチャル空間には誰もが無料でスマホやパソコンからアバターを操作することで参加でき、アバター同士のコミュニケーションも出来るということです。空間内には『オフ会ルーム』が設置されて、ファン同士がアバターを通じてオフ会を開催・参加することもできます」(同)
聞くと、世界初のメタバース・ステーションということで、ここはさらに中央競馬界(JRA)、BEAMSとの連携も予定されていて、限定入場券はNFT(非代替性トークン)で配布されるという。
3月25〜31日には駅の1階改札内のイベントスペースに「VAWゲートウェイ」が設けられて、関連動画が流れるパネル脇に設置されたQRコードを読み取ることでVAWにアクセスも可能という。また、将来的にはVAW内で購入した商品を駅で受け取れるようにしたりと、リアルな世界との連動も増やしていくそうだ。
バーチャルな世界の話だけになかなか頭で捉えにくいメタバースの世界だが、徐々に生活に浸透しつつある。
(猫間滋)