ルメール落馬負傷でドタバタの“代役探し”

 3月30日、C・ルメール騎手がドバイターフで落馬負傷。春シーズンの騎乗はほぼ難しくなった。そのため、彼騎乗を決めていた馬主・調教師はアタフタとしいている。代役探しに苦労しているのだ。

 桜花賞(4月7日、G1阪神・芝1600m)のチェルヴィニア騎乗はムルザバエフに決まったが、発表があったのは4日のこと。当初はルメールとエージェントが同じ浜中俊騎手の声も出たらしいが、結局、空いていたムルザバエフ騎手に決まった。

 ちなみに、ムルザバエフ騎手の免許期間は4月14日まで。たとえ1カ月延長ができても、オークスに騎乗することはできないことから、またルメール騎手に代わる新たな騎手を探す必要がある。
 
 チェルヴィニア以外の主な代役騎手を挙げておこう。6日(土)阪神9R白鷺特別のサトノトルネードは戸崎圭太騎手に、同11R阪神牝馬ステークス(G2)のウンブライルは川田将雅騎手に、日曜・阪神8R宝塚市制70周年記念のフェブランシェはモレイラに、同・阪神10Rダイワスカーレットカップのフレーヴァードもモレイラになった。

 ただ、代役が決まっているのは今週の競馬まで。来週以降、どうなっていくかは定かではない。

 14日の皐月賞(G1、中山・芝2000m)のレガレイラはどうやら北村宏司騎手が騎乗するようだが、28日・天皇賞(G1、京都・芝3200m)のドゥレッツァは現在のところまだ未定。これまで騎乗して勝っている戸崎騎手か横山武史騎手が有力だが、ドバイワールドカップとゴールデンヒシャーンを勝ったタイグ・オシェア騎手が短期免許を取得して4月下旬に来日するという話もあるので、彼が乗るかもしれない。

 いずれにせよ、ルメールクラスになると数カ月先までの予定が決まっているため、しばらくの間、代役探しに苦しむことだろう。それはまた、日本のトップクラスの騎手にとっては大きなチャンスでもある。ルメールの休養期間を2カ月とすると、およそ30勝分の勝ち鞍が分配されるのだ。

 その手始めが、先に挙げた阪神でのレース。ここでいい結果を出すことが、競馬関係者との信頼感を深めていくことになる。大事な一戦なので、競馬ファンもしっかりレースを見届けたい。

(競馬ライター・兜志郎)

スポーツ