衆院選で勃発「怨恨アクシデント」をウラ開票(2)「裏切者どころか卑怯者」

 さらにデカい看板をぶら下げながら崖っぷちに瀕していたのが東京18区・菅直人元総理(75)だ。

「これまで13回の当選を誇る菅氏ですが、対立候補として、かつての民主党時代の後輩で、今回は自民党から出馬した長島昭久氏(59)が刺客として送られ、一気に激戦模様となりました」(政治部デスク)

 公示前日に行われた公開討論会の前哨戦で、菅氏は「選挙区を変えるのは有権者への冒瀆だ」と隣に座った長島氏の前でいきなりイラ菅に変身。司会者がコロナ対策の話題へ進もうとするのも無視し、長島氏の国替えを「党の命令であって、選挙区を返上したのではない」と繰り返し批判。すると、それまで冷静に対応していた長島氏の堪忍袋の緖もブチ切れて、

「元首相としてリスペクトしてきたが、あまりにもルール無視だ」

 見苦しすぎる恨み骨髄の遺恨対決となった。

 26日、JR武蔵境駅前で菅氏は「会いに行ける元総理」をモットーに、お立ち台も設けず、演説後は50人ほどの聴衆の輪に入り、グータッチなどで親しみやすさをアピール。しかし長島氏に対しては、信子夫人が再噴火した。

「支援者名簿を貸した恩義を忘れ、挨拶もない。裏切り者どころか卑怯者です」

 と、痛烈罵倒するのだった。

 一方の長島氏はその1時間後、JR吉祥寺駅前のロータリーで買い物客が歩けないほどの大観衆を前にしていた。それもそのはず、この日の応援演説は岸田総理だからだ。

 街宣カーの上でマイクを握りしめ、持論である防衛問題を長々と訴える長島氏だが、高齢の有権者はSPの袖を摑んで、

「岸田さんはいつ来るんだね?」

 変わって、当初は東京8区からフライング出馬表明したものの、その後、「野党共闘」への参加により比例区に回った、れいわ新選組・山本太郎代表(46)。

 26日は千葉県各所で遊説。JR西船橋駅前で、爆音の音楽とともに壇上に姿を見せた山本氏は中間層の支持を取り込むためか、チェックのネルシャツという庶民派スタイル。「税金は金持ちから累進で徴収すべき」と「消費税は廃止」のお題目でアピールし、30分以上にわたり熱弁をふるった。

 しかし、これでショーは終わらなかった。

「山本太郎にはほぼ肖像権ありません。写真はSNSに投稿してください」

 と自ら呼び掛け〝2ショット撮影会〟へ誘導。聴衆の輪はすぐさま30人ほどの長蛇の列に。続々と並ぶ中には20代の若い女性の姿も見られた。

 お隣のJR船橋駅でも30分ほどの独演会を終えた山本氏。そこに取材記者から自民党・麻生太郎副総裁(81)の「昔はやっかい道米、温暖化のおかげで北海道米はおいしくなった」という失言王の舌禍についてコメントを求められると、

「麻生節とはいいますが、即刻国会から退場いただきたい」

 と、ばっさり太郎斬り。別の会場でも見かけた〝追っかけファン〟の目の前で、

「山本太郎というロケットを国会に打ち込んでください」

 と、きな臭いお願いをブチ上げるのだった。

「週刊アサヒ芸能」11月11日号より。(3)につづく

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