衆院選で勃発「怨恨アクシデント」をウラ開票(1)「ウソをつけ!」厳しいヤジ

 衆院選、つわものどもが夢の跡─。列島を12日間にわたって賑わせた辻立ち説法も、大物の応援演説も、街頭シュプレヒコールもすべては後の祭り……。どっこいアサ芸は10月31日の投開票で泣き笑いをみた有名候補の罵詈雑言バトルに密着。大手メディアが報じない「遺恨アクシデント」をウラ開票する!

 史上最速、就任後わずか10日で衆院解散に打って出た岸田文雄総理(64)。対して、立憲民主、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の5党は「野党共闘」で対抗。全国289の選挙区のうち7割となる213の選挙区で統一候補を一本化、事実上132の選挙区で与野党一騎打ちが実現した。政治部デスクが語る。

「解散から公示までわずか5日。予定よりも1週間早めた異例の短期決戦に打って出た岸田総理ですが、直前の参院静岡補選で自民党候補が惨敗し、初陣から痛い洗礼を受けることになった。その流れのまま突入した衆院選でも逆風は止むことなく、〝風〟に左右されやすい小選挙区、特に一騎打ちとなった激戦区では血で血を洗う戦いとなりました」

 中でも、早くから当選に黄色信号が灯ったのが、東京8区の自民・石原伸晃元幹事長(64)だ。政治ジャーナリストが語る。

「公示日初日、地元・杉並区役所前で第一声を発しましたが、沿道の聴衆からはいきなり『何もやってないじゃないか!』と痛烈批判。冷や水を浴びて選挙戦をスタートさせました。以来、ヤジを嫌ってか、遊説スケジュールを公開しないという異例の〝見えないドブ板戦〟を繰り広げることになりました」

 これまでにも原発事故関連で「福島第1サティアン」「最後は金目でしょ」などを残す失言居士だけに、聴衆から突っ込まれる機会は多々あった。

「街頭演説では、『皆様の話をきめ細かく聞く耳があります』など岸田総理を模倣するかのような演説をし、『ウソをつけ!』と厳しいヤジに晒されていた」(政治部デスク)

 頼みの綱の「石原軍団」は今年1月に解散という憂き目で、もはや石原太陽族も落日は必至!?

 岸田内閣では、万博相など4つの役職での初入閣を拝命し、箔をつけて選挙戦に臨んだ東京5区・若宮健嗣氏(60)だったが‥‥。

「それでも大臣に就任して日が浅いこともあり、無党派層へ支持を広げることができなかった。そのため、党本部は現役閣僚の落選を阻止するために、最大限の援軍を動員。甘利明幹事長(72)、茂木敏充外相(66)、丸川珠代前オリパラ担当相(50)が応援演説に駆けつけた」(政治部デスク)

 投票日1週間前となる10月24日には、三軒茶屋に安倍晋三元総理(67)を招き、沿道を埋め尽くす聴衆を集めることに成功した。

 しかしその2日後、JR目黒駅前での街頭演説では、夕方の帰宅時間ながら聴衆は閑古鳥状態。「国務大臣」という大きな文字が目立つ選挙カーの前で聞き入る聴衆はわずか2人である。わざわざ立ち止まる有権者は少なく、家路を急ぐ聴衆からは、

「誰? 見たことない」

 という、現役大臣にしてはあまりにも寂しい光景となった。壇上の若宮氏曰く、

「いきなりいくつも担当大臣を申しつかってしまい」

 肩書は多ければいいというものではなかった。

「週刊アサヒ芸能」11月11日号より。(2)につづく

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