好感度抜群の漫才コンビ・博多華丸・大吉が、コロナ禍の今年もテレビに引っ張りだこ。“NHK朝の顔”として、情報生番組「あさイチ」(NHK総合)で見せる落ちついた司会はもはや安定の域。今夏は華丸が俳優としても引く手あまたで、ジャニーズJr.・美 少年の主演連ドラ「真夏の少年~19452020」(テレビ朝日系)、さらに織田裕二主演の月9ドラマ「SUITS/スーツ2」(フジテレビ系)にも出演した。かたや大吉は、「2020年上半期テレビ番組出演ランキング」(エム・データ調べ)の総合で堂々トップ。「あさイチ」効果で数字を伸ばし、自己最多の330回となった。
地元・博多から上京したのは約15年前で、今年はそろって50の大台に乗る。華丸が「R-1ぐらんぷり2006」で優勝したのを機に全国的人気を博したが、その決勝戦の数日前、仲の良さで定評がある2人が言い争いをしていたという。
「華丸が『決勝では児玉清さん(のネタ)をやらない』と言いだしたのです。それまでの予選すべてを児玉さんネタで勝ち進んできたので、大吉は『審査員の先生方もそれを評価してるはず』と猛反対しましたが、華丸は、『博多のおじさんがゴルフコンペ会場に間違えてやってきたときのロビーの1人コントをやりたい。そのためにゴルフバッグを持ってこようと思ってる』と譲らなかった。大吉は『当日だけゴルフバッグ担いで来たら放送事故だよ』と怒り混じりで、懸命に説得したそうです」(芸能関係者)
大吉には、説得に足るもうひとつの根拠があった。“パネルクイズ「アタック25」の児玉清シリーズ”ネタは、「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)の大人気企画「博士と助手~細かすぎて伝わらないモノマネ選手権~」で2連覇していたのだ。この上昇気流を逃す手はないと、普段は穏やかで知られる大吉が主張を曲げなかった。
「華丸は『児玉清さんはもうさすがに世の中の人も飽きてるだろうから、ここで俺は勝負をかける。ネタを全部変える』と言ったそうですが、大吉は譲らなかったそうです」(前出・芸能関係者)
10年以上前に大吉が「アメトーーク!」(テレ朝系)に出演した際、周りの芸人が年下ばかりだったことから、番組スタッフから「先生」と呼ばれた。いつしか、このギャグめいた呼称は今やすっかり浸透し、今ではTBSラジオ「たまむすび」で共演するフリーアナウンサーの赤江珠緒も親しみを込めて「先生」と呼ぶ。
そんな“先生”の的確な判断によって、華丸はピン芸人日本一となった。大吉先生には一生頭が上がらないかもしれない。
(北村ともこ)