リサイクルショップ大手のハードオフコーポレーションが5月9日に発表した3月期決算で、連結経常利益が前期比16.6%減だったことに見られるように、ここへ来てリサイクルショップ業界が苦しい状況にあるという。
「帝国データバンクの調べによれば、2018年のリサイクルショップの倒産は30件となり、前年度と比べ2倍にまで増えています。原因は“フリマアプリ”にあると見られ、国内No.1フリマアプリの『メルカリ』は、スタートから5年で流通額が1兆円を突破している。アプリとなると自宅で手軽に出品・購入でき、商品の取扱量もリサイクルショップとは比べ物になりませんからね」(経済評論家)
普段、フリマアプリを利用する人たちがリサイクルショップを利用しない理由についてSNS上を覗いてみると、《リサイクルショップは買取価格が安くて販売価格は高いから、フリマアプリに流れるのは当然》《わざわざリサイクルショップまで足を運んでも欲しいものが置いてあるとは限らない》《リサイクルショップは相場が似たようなものだがフリマアプリにはとんでもない値での買い取りや掘り出し物があったりする》などの意見が出てくる。
「ただ、安くて便利で掘り出し物もあるフリマアプリですが、利用には注意も必要です。買ってみたら写真とは違った、ニセモノや壊れた商品が届いた、いつまで経っても金が振り込まれないなどのトラブルが続出していることも事実。国民生活センターの調べでは、17年のフリマアプリに関するトラブルの相談件数は3330件で15年から倍増していますが、これが氷山の一角にすぎないことは明らか。厳しい状況のリアル店舗のリユース業界ですが、アプリでは埋めきれない安心と信用を前面に出していくしかありません」(業界関係者)
果たして、勝ち目はあるのか。
(小林洋三)