アウトドアブーム終焉で上場廃止へ「スノーピーク」が今度は未発売商品フリマ流出の痛手

 アウトドアブランドの「スノーピーク」が、販売を延期していた商品がフリマアプリなどで転売されていることが判明したと6月14日に発表。ずさんな管理体制に呆れた声が広がっている。

 公式ホームページによれば、問題となったのは「セパレートIGT」シリーズの9商品で、4月20日に予定されていた発売前、「解決すべき点が見つかった」ために発売延期となっていたもの。しかし、同社公式オンラインとは異なる一部通販サイトで予約注文されたものに関して誤って商品が発送されてしまったといい、当該商品を購入した客には「お詫びとともに商品の返品をお願いしております」としているが、「一部の商品がフリーマーケットアプリなどに流出し、販売されております」と説明。誤って発送された商品は正式な商品とは異なるため、フリマアプリなどで購入することを控えるように呼びかけている。

 スノーピークはコロナ禍のアウトドアブームを受けて売上を大きく伸ばし、2021年8月には初めて時価総額1000億円を突破したことで大きな話題となった。しかし翌22年9月、当時社長だった山井梨沙氏が既婚男性との交際、妊娠を理由に電撃辞任。さらに新型コロナの5類移行に伴いアウトドアブームが急速に冷め始めたこともあり、今年2月に発表された23年12月期連結決算では純利益が99.9%減。MBOにより7月9日に上場が廃止される予定となっている。

「これから信頼を取り戻していかなければならない時に、未発売商品が転売ということで、ファンの中にはガッカリした方も多かったようです。4月20日に発売する商品を同19日に延期が決まったということで、外部サイトで予約商品を誤って発送してしまったのは致し方のないところ。しかし客に渡ったとなれば、転売リスクは十分に予測できる上、それが『解決すべき点が見つかった』という、いわば未完成品ですからね。フリマアプリでの流出前に打つ手はなかったのか、という疑問が残ります」(フリージャーナリスト)

 いまだゴタゴタを引きずり続けている印象与えた、今回の騒動である。

(小林洋三)

※写真はイメージ

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