「何も進まないじゃねえか」野々村真の“総理批判”が大炎上を招いた理由

 ちょっと前までは《おかえりなさい》《元気になってよかった》などと励ましの声であふれていたが、急転直下、《責任転嫁するな》《自業自得》といった厳しい意見が寄せられて大荒れ状態となっているのが野々村真のYouTubeチャンネルのコメント欄だ。

 野々村真といえば、7月末に新型コロナ感染が判明し、自宅療養を続けていたが、容態悪化を受けて8月5日に入院。重度の肺炎を発症し、ICUで治療を受けた結果、一命をとりとめた。退院直後の8月25日にはフジテレビ系の報道番組に出演し、医療現場のひっ迫について「本当に今は、みんなを助けることができないかもしれないという状況」と語って警鐘を鳴らしていたのだが…。

 大炎上のきっかけは野々村がコメンテーターとしてリモート出演した9月6日放送の「バイキングmore」(フジテレビ系)。菅総理の総裁選不出馬を取り上げた際、話を振られると、「もっと早く菅首相には辞めていただきたかった」と口火を切り、退陣のタイミングについてはこう語った。

「今かよ…っていう。さんざんこういう状況になってコロナ感染がもうどうしようもない状況になってる時にここで解散総選挙にしろ人事にしろ、また1カ月も2カ月も国会止まるだろうしっていうことを考えると、何も進まないじゃねえか、というふうに思うし」

 さらに菅総理の“相談相手”として脚光を集め、囲み会見で涙を流した小泉進次郎環境相についても触れ、「泣きたいのは、泣きたくても泣けなくて苦しんでいるのはICUに入ってる人たち。そして亡くなった人たち、そのご家族」として、「その人こそが、この政治のおかげで命を失っているのは絶対に忘れないでほしい」と菅政権に真っ向から苦言を呈した。

 この発言がネットニュースで取り上げられると、コメント欄には《まるで自分のコロナ感染の責任を菅総理に押し付けているようだ》《ドラマの仕事で感染したのでは?芸能人のガバガバな感染対策こそ問題視すべき》などと辛辣な意見が相次いだ。

 番組ではこの後、ワクチンを一気に普及させた菅総理の功績について触れ、野々村も「がんばってらっしゃったと思います」とフォロー。さらに「国会議員のみなさんすべてが一枚岩になって支えていろいろな対策を考えていればここまでひどくはならなかった」と菅総理一人の責任ではなかったと主張していたが、いったいなぜここまで大炎上する事態となったのか。

「野々村さんは運よく入院できましたが、彼が言う『苦しんでいる人』というのはICUに入っている人と亡くなった方とそのご遺族。自宅療養で苦しんでいる人というのがスッポリ抜け落ちていたのも炎上の理由では? 現在は自宅療養中に亡くなるケースが相次いで報告されており、9月1日時点で自宅療養者数は全国で13万人以上。菅総理が国民の信頼を失った大きなポイントは入院の判断基準の変更で、コロナ患者に対して自宅療養を基本とする方針を打ち出したこと。まるでコロナ感染の拡大の責任を菅総理一人に押し付けるようなコメントは、休みなしで働いてきた菅総理に対して行き過ぎていたかもしれません」(テレビ誌ライター)

 コロナ感染者が相次ぐ芸能界。どうせなら、野々村には自身が関わった番組のコロナ対策についても辛辣な意見を述べてもらったほうが、前向きな議論ができたかもしれない。

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