8月15日、韓国から事業撤退したうどんチェーン「丸亀製麺」。ところが、ソウルの繁華街・明洞で、撤退後の店舗をそのまま使って「居抜きコピー営業」していることが27日、日本テレビの報道で明らかになった。
韓国在住のライターが呆れた表情でこう語る。
「コピー営業を始めたのは、『自家製麺 丸』という店舗ですが、丸亀製麺が撤退した3店舗のうち、なんと2店舗で外観をほぼそのままにして、看板だけ変えて営業を初めたといます。メニューやノウハウまで、あまりにそっくりなため、店が新しくなったことに気づかない客もいるとか。昼時には行列もできていますよ」
海外でおよそ229店舗を展開する丸亀製麺(トリドールホールディングス運営)が、韓国・ソウルの麻浦に1号店を出したのは2012年のこと。その後主要都市に12店舗を展開、一時は連日行列が出来るほど大人気だった。しかし19年の夏以降、日本による輸出管理規制をきっかけに、韓国で日本製品の不買運動が拡散。丸亀製麺もそのあおりを受け、売り上げが減少した。さらに20年春以降は、新型コロナウイルスの感染拡大で回復が見込めず、最後の3店舗も閉店を余儀なくされた。
前出のライターが語る。
「韓国でうどんは国民食とも言える食べ物。ただ、一般的にはソフト麺なのでコシがありません。そのためコシがある丸亀製麺の麺は韓国では画期的で、不買運動が始まるまでは、どの店も本当に行列が出来るほど人気でした。なので、いずれは似たような店が登場するだろうと思っていましたが、まさか撤退後の店舗をそのまま利用してパクリ店を出すとは驚きですね」
実は韓国からすでに撤退、あるいは撤退を表明している日本企業は少なくない。
「日本製品不買運動以降、日本企業による締め付けが厳しくなったこともありますが、デサントやオンワードをはじめ、昨年にはファーストリテイリングが運営するGUも韓国から撤退しています。そして、こういった流れは日本企業だけでなく、ルイ・ヴィトンが韓国の市中免税店から撤退する意向を表明するなど、外資系企業にも広がっているのです」(前出のライター)
“本物の”丸亀うどんが食べたいと、惜しむ声が聞こえてきそうだ。
(灯倫太郎)