プロゴルファー・石川遼の腰痛の状態が深刻だ。
国内開幕戦の「東建ホームメイトカップ」を欠場し、2戦目は途中棄権。5月9日からの「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」も欠場となった。
「日本ゴルフツアー機構の話では、ダイヤモンドカップの出場エントリーの段階では、石川サイドは『出る』と伝えてきたとのこと。出場取り消しの手続きは2戦目を途中棄権してすぐではなく、ちょっと時間を置いてからされたそうです」(専門誌記者)
石川の途中棄権はゴルフ人生初。それだけでも腰痛がかなり悪化していることが伺える。しかし、「時間を置いてから3戦目の出場取り消しを行った」ということは、石川はギリギリまで出場するつもりでいたのだろう。
「選手会長の責任感でしょう」というのは前出の専門誌記者だ。
石川には、プレーヤー以外に2つの肩書がある。ゴルフツアー選手会長と日本ゴルフツアー機構副会長だ。日本のゴルフ関係者、他選手たちがまだ20代の石川を当職に推した理由は、ゴルフ人気低迷の対策のためだった。同時に石川の真面目な性格、ゴルフを思う気持ちを知っていたからで、石川本人も要職に着任した後はファン層拡大のために定期理事会でさまざまなアイデアを提案し、イベントにも積極的に参加してきた。
「石川が不振に陥って久しいですが、知名度はバツグン。彼の名前でお客さんを呼んでいるようなところもあります」(スポーツ紙記者)
しかし、役職は“客寄せパンダ”ではない。近年、落ち込んでいる賞金総額の底上げ、ツアー移動、宿泊ホテルなどを含めたプレー環境の改善、ときには「ツアー主催者への要望」など、言いたくないことも石川は代弁させられてきた。こうした選手として以外の多忙さ、気苦労が腰痛を再発させたとの見方も強まっているが、さらに石川の真面目な性格が拍車をかけたのだろう。
「他のゴルファーはキャディー、トレーナーなど信頼するパートナーがいます。石川の場合は実父でしたが、近年は一人でなんでもこなしています。本人は『一人のほうが好き』と言っていますが、ゴルフのことで父親以外に信頼できる相談相手が見つかっていないのでは?」(同前)
プレー環境の改善が必要なのは石川本人かもしれない。このまま気苦労でパンクしてしまい、平成の怪物が令和のグリーンから遠ざかるなんてことにならなければいいのだが…。
(スポーツライター・飯山満)