ところで、五輪では恒例の「避妊具配布」も懸念材料となっているようだ。
「性欲旺盛なアスリートのため、88年のソウル大会からの慣例です。今大会でも選手村で16万個を配る予定ですが、どう考えても『濃厚接触の助長』です。大会規約の『フィジカルディスタンスを確保する』との文言にも矛盾している。わざわざコロナを広めようとしているかのようです」(大会組織委関係者)
聞けば聞くほど、開催派の杜撰さが際立つ。そのしわ寄せが現場に押し寄せていた。
「全国各地での聖火リレーやテスト大会で、多数の現場スタッフが反対派の通行人から『お前ら、コロナを広げる気か!』と罵倒されているんです。大会組織委に五輪中止を求める脅迫状が送られてきたことも、一度や二度ではありません」(大会組織委関係者)
こうした仕打ちを受け続け、五輪本番での「最悪シナリオ」がここにきて、想定され始めたという。なんと、他でもない日本人による「逆上テロ」の危険性だ。大会組織委関係者も頭を抱える。
「イスラム過激派などの外国人テロリストが潜り込むのではなく、コロナ禍でも平然と開催される五輪への怒りが高まり、自暴自棄になった日本人がテロリスト化してしまうことが‥‥。個別にマークができるわけではなく、警備が極めて困難になります。過去の五輪にはない大きな脅威ですよ。観客を入れて開催した際の観客を狙った通り魔的犯行はもちろん、無観客開催になった場合でも、自動車で会場や施設に突っ込まれたら大惨事は避けられません。一般市民の凶行に対し、コロナ蔓延のリスクだけでなく、セキュリティー面でも極めて緻密な準備が求められているんです」
日増しに反発の強まる東京五輪─。各国の動向にも注目が集まっている。
政治部記者によれば、
「今後、選手団派遣の断念を表明する国が続出すれば、国際的にも五輪反対の機運が高まるでしょう。こうした動きを察知して、VISAなどの最高位スポンサー『ワールドワイドオリンピックパートナー』の1社でも抜ければ、中止に向けて一直線になる。事態が動くとすれば、5月半ばから6月頭ですよ」
その結果、これまではのらりくらりだった宿題が、急に動きだす可能性も出てくるのだ。
「海外の動き次第では、風を読むのに長けた小池都知事が国に責任を押し付け、いきなり五輪中止派に回ることも。秋に衆院選を控えていることもあり、『小池ならやりかねない』と、菅総理をはじめ与党全体が〝小池爆弾〟に戦々恐々としています」(政治部記者)
国民を置き去りにした「開催強行論」は、どこに向かって走り続けるのだろうか。
*「週刊アサヒ芸能」5月20日号より