“チャンス”に飢えていた新助っ人は、原巨人の救世主となれるのか…。
「近く、一軍昇格」と伝えられるのが、エリック・テームズ外野手だ。ともに入団会見に臨んだジャスティン・スモークは被死球の影響で調整が遅れてしまったが、テームズはヤル気満々だ。
「新型コロナウイルス禍で来日が遅れ、その鬱憤もあるようです。二軍戦で初アーチが出た4月15日、途中交代した後も室内練習場に移動し、打撃練習をしていました。本人の要望でまだ打ち足らない、と」(スポーツ紙記者)
ナショナルズに在籍していた昨季を知る米国の記者は、巨人入り後の豹変ぶりにも驚いていた。
「昨季序盤は無精髭を生やしていて、ちょっと怖そうな雰囲気を醸し出していました。シーズンが終わるころは、そのヒゲが首全体を覆うほどでした。トーキョージャイアンツは身だしなみにも厳しいそうですが、こんなに雰囲気が変わるとは」
不安材料があるとすれば、「紳士の球団」に馴染めるかどうかではない。
テームズは韓国球界で打撃開眼し、2017年に米球界に復帰した。ブルワーズ、ナショナルズを渡り歩いたが、彼の役割は「プラトーン選手」。左の大砲タイプではあるが、出場機会は右投手が出てきたとき。本人は「左投手が苦手」という意識はないそうだが…。
実戦デビューとなった16日の楽天二軍戦、日本のピッチャーとの初対戦は左腕・塩見だった。第2打席でライト前ヒットを放ったが、これだけでは「左投手が苦手でないこと」を証明したことにはならない。初アーチは右投手の西武・ニールからだった(21日)。
プラトーン選手として、右投手に強いことは分かったが、ニールはまだ本調子が出ていない状態。原辰徳監督はしばらくの間、様子を見て、それから先発投手の右、左に関係なく使うのかどうかを判断するのだろう。
「テームズは外野手で登録されたそうですが、昨季は一塁の守備にしか着いていません」(同前)
早々に失策が記録されたのは、その影響だろう。「一塁・スモーク、左翼・テームズ」と守備位置が予想されていた。しかし、テームズが守備練習に時間を割いている様子は、今のところ見られなかった。対左投手、久々の外野手。特大の大アーチは期待できるが、攻守ともにリスクもありそうだ。
(スポーツライター・飯山満)