地元紙は「必要ない」と辛辣!レイズ筒香が抱える「難題」

 マイナー降格も囁かれていたレイズ・筒香嘉智選手が、敵地ニューヨークでのヤンキース戦で決勝二塁打を放った(4月18日/現地時間)。試合後、ケビン・キャッシャ監督も「チーム全員で、あいつを抱き締めて『おい、オマエはうちの大きな戦力なんだ』と言ってあげたい!」と興奮ぎみに語っていたが、それには理由があった。

 筒香は打率1割台に低迷しており、前日、地元紙タンパベイ・タイムズが「expendable(要らない、使い捨て)」の見出しで、痛烈な批判記事を載せていたからだ。

「本人が読んだかどうかは分かりません。でも、キャッシュ監督のコメントからして、選手、関係者はみんな目を通していたと思います」(現地取材陣)

 これをきっかけに、打率アップと行きたいところ。また、筒香がチームメイトに愛されていることも分かったが、ほかにもクリアしなければならない問題もある。再契約、つまりはメジャーリーグに残留できるかどうか、だ。

「レイズは若手選手が多いため、まだ年俸の低い選手ばかりです。野手で筒香以上の年俸をもらっているのは、ゴールデングラブ賞を争っているケビン・キアマイアーだけ。エースのタイラー・グラスノーは筒香の半分程度、リーグを代表するリリーバーに成長したニック・アンダーソンは10分の1以下」(米国人ライター)

 筒香は2年1200万ドル、今季は700万ドル(約7億3500万円)の年俸で契約している。2年契約は2021年シーズンまでなので、“チームの愛されキャラ”であっても、オフの契約更改はシビアに計算されるもの。昨季の最終打率は1割9分7厘であり、今季も2割そこそこでは高年俸はおろか、再契約すら難しいだろう。

「他球団も同様です。打率2割以下の外野手兼DHなんて、どこも契約してくれません」(同前)

 レイズに残留できたとしても、大幅ダウンは必至だ。

 一般論として、契約最終年の選手はそのシーズン中から残留交渉が行われ、「残ってほしい」と思う主力選手に対しては球団側から好条件を提示していく。交渉決裂、あるいは選手の希望が高すぎてこれ以上は払えないと判断した場合は、シーズン途中でのトレード放出もある。

「複数年契約の最終年を迎えた選手の周辺は、騒がしくなるものなんですが」(同前)

 筒香の場合、騒がしくなっているのは不振脱出の話だけだ。再契約の交渉でダウン提示をどこまで受け入れるのか、地元メディアもひそかに注目しているようだ。

(スポーツライター・飯山満)

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