スクウェア・エニックス・ホールディングスからリリースされた位置情報ゲームの「ドラゴンクエストウォーク」が好調だ。9月12日にiOSとAndroid向けに配信を開始し、翌13日にはApp Storeのセールスランキング1位を獲得、14日には300万ダウンロードを達成した。
だが生き馬の目を抜くゲームの世界、連休を挟んでどうかとの見方もあったが、ランキングは好調で株価も反応、年初来高値を更新し、終値は185円高(+4.19%)の4605円だった。スクエニとウォークを共同開発した位置情報ゲームの老舗・コロプラも好感され、こちらは100円高(+14.43%)の793円でストップ高だった。
「ウォークは“ドラクエGO”などと呼ばれるように、ポケモンGOが提示した位置情報ゲームの形態を踏襲したものです。ですから当然、投資家が夢に描くのはポケモンGOの再来。なにしろポケGOは2016年だけで累計7億ダウンロード、9億5000万ドルを売り上げたオバケ・ゲームですからね。今後の成功のカギとしては、うまい具合に課金につなげられるかその塩梅と、国内だけでなく世界市場にまでマーケットを広げられるかでしょう」(ゲームライター)
一方、本家本元のポケモンだが、先行して8月29日にDeNAがリリース(株式会社ポケモンと共同開発)した「ポケモンマスターズ」は苦戦が伝えられる。
「配信初日こそアプリ売上高2位でしたが、9月1日には7位に転落し、伸び悩みが伝えられていました。こちらは日本以外の英語、フランス語、スペイン語、韓国語、中国語など8言語で世界に向けての配信で、事前登録は500万人を突破して、その期待感から8月中は株価を押し上げていたんですが、現金なもので、8月末には2300円を超えていた株価が今では2000円を割っています」(経済ジャーナリスト)
ただこれも、“ポケマス”の不振だけが要因ではないと言う。同社では大胆な自社株買いの予定を発表しており、実際、8月中に大胆な買いが行われていた。すると当然、市場では需給がタイトになり、投資家の様々な思惑を呼んだようだ。
いずれにせよ、ポケモンとしてはドラクエに足元をすくわれた格好と言えるかもしれない。
(猫間滋)