来る本番に向けて野田氏は、地元の岐阜で女性政治塾を立ち上げ、塾長となって存在感をアピール。コロナ禍以前は週1回ペースで党内で会合や会食を開き、足場作りを進めていた。
「水面下では、活発な動きを見せている谷垣禎一元総裁(76)を中心とした『有隣会』に近づいています。約20人と少数ながら中谷元元防衛相(63)など実力者揃いで影響力も強い。昨年、一度は入会を拒否されたと言われていますが、まだ諦めていないはず」(政治部記者)
野田氏が後ろ盾を得ようとしている一方で、ライバルと見られる面々も党内基盤は堅固ではなかった。
新聞・テレビの世論調査で「ポスト菅」レースのトップに名前が挙がる河野太郎行政改革担当相(58)は、ツイッターのフォロワー数230万人と国会議員の中でぶっちぎりで、若者世代の支持を集める。が、党内では「変人」と評され、自民党のキングメーカーの二階氏に対しても、
「非公式の場で『いつまでも干し柿みたいな顔をした人が自民党を牛耳るのはよくない』とジョークを飛ばし、周囲が冷や冷やした」(自民党関係者)
時には暴走モードに突入することも。所属する麻生派では「神輿に担ぎたくない」と、拒否する動きもあるという。
安倍政権時代に禅譲説が囁かれた岸田氏は、無役で影はめっきり薄い。4月25日投開票の地元の参院広島選挙区再選挙で、県連会長として成果を出せなければ、最初の脱落者となりそうな雲行きだ。
一方、女性ライバルの稲田朋美元防衛相(62)はやる気満々だが、防衛相時代の数々の失態が足かせとなり、支援者作りに苦戦している。
「ダークホースは片山さつき元地方創生担当相(61)です。発案したスーパーシティ構想(AIやビッグデータを活用した未来都市設計)を手土産に、衆議院への鞍替えを画策。東京1区を狙って周辺で講演活動にいそしむなど積極的です。それと永田町では、『小池百合子がいつ戻ってきて総理大臣を目指すのか』と気にする声も根強く、野田氏にとって不気味な存在になっている」(政治部デスク)
それでも女性に限れば、野田氏が総裁選レースの先頭を走っているのは間違いないだろう。山村氏は女性総理候補の最右翼をこう評する。
「野田氏と仕事をしたことがある官僚は、事務的能力は相当高いと褒めていました。安全保障や外交問題などオールラウンドに勉強をしているだけに、あとは『才能はあるけど人(後輩)が寄り付かない』という永田町での定評を覆し、とにもかくにも推薦人20人を集められるか次第でしょう」
約半年後、元祖・政界のマドンナは、第100代総理大臣として名を刻み、勝利の美酒を味わうことができるのか。その時は飲み過ぎにご用心を‥‥。
*「週刊アサヒ芸能」4月15日号より