波乱のプロ野球、禁断予測(1)阪神・佐藤輝明に不吉なジンクスが…

 いよいよ開幕したプロ野球。コロナのリバウンドもささやかれる中、「波乱のシーズン」となりそうだ。下馬評ではセは巨人と阪神が、パではソフトバンクと楽天有利が伝えられるが、想定外の事態が起きそうな雲行きなのだ。勝敗を決する大予測の結果は‥‥。

 開幕6番スタメンと破格の扱いで「掛布以上」と虎ファンの熱視線を集める大物ルーキー・佐藤輝明。オープン戦6本塁打でホームラン王となったが、データは佐藤にとって不吉極まりないシーズンを暗示している。

【1】オープン戦本塁打王は不発に終わる

 実際、過去10年のオープン戦本塁打王のうち、シーズン30本以上は18年のバレンティン(38本塁打)のみ。20本も大田泰示(日本ハム・19年)とオースティン(DeNA・20年)で、半数の打者が1桁に終わっているのだ。

 野球評論家の江本孟紀氏も、

「体の強さはソフトバンクの柳田悠岐並みですが、オープン戦では厳しいコースを攻められてないので、開幕1カ月で対応できるかですね」

 と、規格外のルーキーの活躍に半信半疑。実は長嶋茂雄らが手にした新人の本塁打王は半世紀以上も誕生していない。「ニューミスタータイガース」は、ジンクスを打ち破れるか。

 一方、精彩を欠く佐々岡真司監督の采配に首をかしげるカープファンには朗報が届いた。

【2】堂林翔太が盗塁王になる

 昨年、両リーグ最多の引き分け数「12」を記録した広島カープ。1点差9勝13敗、2点差17勝22敗と僅差ゲームを負け越すなど、接戦での弱さを露呈しまくった。

「5点差以上の負けは編成の責任、1点差負けはベンチの責任」と言われる。佐々岡監督の采配は〝日替わりクローザー〟。野球評論家の愛甲猛氏も佐々岡采配に「代え時は監督の腕の見せどころ」と期待を寄せる。

 チーム打率リーグ2位だった打撃陣は、選手会長の田中広輔がオープン戦で好調をアピール。4番・鈴木誠也も開幕に間に合った。カギは昨年大復活した堂林翔太が握る。

「14本塁打は驚きましたが、17盗塁はまるで予想外。走塁に磨きがかかっているので、盗塁王がかかればチームも浮上しそうです」(スポーツ紙記者)

 堂林と鈴木がチーム浮沈のキーマンとなろう。

 今季からコロナ対策で急遽決まった延長戦廃止により、引き分けが増えるのは必至。延長10回制だった昨季、引き分け数はセ24試合、パ16試合だったが、

「倍増しても不思議はなく、最多勝や最多セーブなどの数字も落ちるでしょう。早めの代打も増えそうです。苦戦を強いられそうなのが西武とDeNA。ともに昨季は延長戦で負け知らず、サヨナラも目立ちました」(スポーツ紙デスク)

 チームの明暗を土壇場で分ける形になりそうだ。

【3】延長戦なしで有利なのは巨人・阪神・中日

 江本氏は、

「投手陣が豊富なチームが有利で、現状では巨人と阪神でしょう。ただ、リリーフ陣が投げすぎるとシーズン終盤に疲れが出るので、先発完投も考えないと。バランスが難しい」

 さらに、スポーツ紙デスクは、

「大野雄大、福谷浩司の先発陣に加え、祖父江大輔、福敬登、ライデル・マルティネスの勝ちパターンはなかなか他球団も攻略が難しい。9回までの延長なしなら、中日がダークホース」

 と、セの2強に異を唱えるのだ。はたして─。

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