今季、評論家の優勝予想でトップだった巨人。FA補強、メジャーリーガー獲得、そしてエース・菅野智之の残留とプラス材料が揃っているだけに当然だろう。
外国人選手の来日が不透明な中、巨人は助っ人への依存度が低いのも好材料であり、「1強5弱」と断じる評論家もみられた。さらに、懸案だった投手陣にも明るい材料が‥‥。
【7】桑田真澄コーチによる完投増で巨人3連覇か
投手チーフコーチ補佐に就任したレジェンドの持論は「先発は中6日なら135球で完投すべき」。今季の「延長戦なし=継投しやすい」の試合形式では、リリーフ登板が多いとシーズン終盤戦にツケが回ることとなる。球界関係者によれば、
「昨季の巨人はリリーフ陣が終盤に崩れ、10・11月と負け越しました。規定投球回数をクリアしたのは菅野のみで、デラロサや中川皓太、高梨雄平らのリリーフ陣がいなければ優勝は厳しかった。桑田コーチの指導で戸郷翔征ら若手が伸びれば万全でしょう」
懸案は桑田コーチの入団により、正反対の指導をする阿部慎之助2軍監督との間に齟齬が生じる可能性も。優勝の行方と同じく気になるのが「ポスト原」争いだからだ。
さらに「巨人有利」と言われながらも予断を許さないのが、東京五輪の行方である。
「中でも侍ジャパンは、チームリーダーの坂本勇人、エースの菅野智之に、4番岡本和真までが駆り出されるほど。実は菅野は五輪出場に消極的。五輪の中断期間を挟むシーズンになるので、前半戦を優位に進めないと意外と厳しい」(球界関係者)
そこで浮上するのが、
【8】電撃的に巨人が五輪派遣を辞退する
いまだにセ関係者の間では、読売サイドからストップがかかるのではと危惧する声がある。現在も開催の方向で進められている東京五輪だが、野球は7月24日~8月7日(横浜スタジアム)という日程。NPB内では「開催したくない」との空気も漂っているというが、ある球界関係者は、
「外国人客を受け入れず、人数制限もある。球場広告の撤去も必要だし、開催だとオフが短くなる。ファンが集まるほど感染率も高まるし、中止を願う声も少なくない」
と悲観的だ。
【9】ヤクルト&DeNAが「死のロード」で大苦戦
中でも影響甚大なのが、ヤクルトとDeNAだ。開催球場の横浜スタジアムは6月9日~8月30日まで公式戦なし。新国立競技場の待機場所兼資材置き場となる神宮球場も7月第2週の神宮6連戦後、9月11日まで試合はない。両チームには「異例の死のロード」が待ち受けている。
昨年のDeNAはロードで11、ヤクルトは18もの借金を作っており、今年も厳しい結果が予想される。
【10】コロナ長期化で阪神、ロッテが浮上する
早くも全国的に増加傾向が指摘される新型コロナウイルス。観客のコロナ対策よりも深刻なのが球団と選手のコロナ対策のようで、スポーツ紙遊軍記者によれば、
「スター選手ほどタフでエネルギッシュ。ほとんどの球団は外出禁止ですが、年間通しての自粛には無理がある。その点、昨年クラスターの出た阪神やロッテは一日の長があり、対策も万全。選手の管理もかなり厳しくしています。しかし球団によっては選手任せなので、プライベートな外出をきっかけに、クラスターが出る可能性もある。特に人気球団は注意が必要」
サバイバルマッチのシーズンとなりそうだ。
*「週刊アサヒ芸能」4月8日号より