ではパ・リーグはどうか。昨年の覇者、ソフトバンクと、田中将大と早大卒ルーキーの早川隆久の加入で一躍、優勝候補とも言われる楽天。2強の様相だが─。
【4】西武が楽天に勝ち越す
西武と楽天の遺恨は、今季も見ものとなりそうだ。なにしろ楽天は狙い撃ちの補強で、17年に岸孝之、19年に浅村栄斗、20年に牧田和久(パドレスから帰国)と、西武から立て続けにエース級と主力打者を引き抜いた。昨年は浅村が本塁打王、岸が7戦無敗、牧田が22セーブ、おまけに涌井秀章(ロッテ経由)が最多勝とみごとな編成力を発揮しているが‥‥。
球界関係者が言う。
「西武の楽天憎しは半端ではない。主力選手を資金力に飽かして、次々と一本釣りしていますから。その結果、昨年は西武3位で楽天4位。対戦成績も12勝10敗(2分)で西武が勝ち越しています。18年オフ、楽天より好条件のソフトバンクを蹴った浅村に楽天とのタンパリング疑惑が浮上すると、西武ファンはツイッターやブログで『裏切り者!』と罵りました。楽天新監督は、当時GMだった石井一久ですからね。両チームの対決となると、西武ファンも選手も怒りモードで、今季も激しいバトルになり、勝ち越すのでは」
一方、楽天に電撃入団を果たした田中将大も開幕直前になって、練習中にふくらはぎの張りを訴え診断したところ「右ヒラメ筋の損傷」。試合復帰までは3週間程度を要する見込みとなっている。
【5】田中将大は前半戦登板できない
実は、田中の体調不安は、キャンプ直後からささやかれていた。
「例年、田中はアメリカでは2月の時点で投げ込みはしていなかった。ところが今年のキャンプでは注目度が高く、無意識に飛ばし気味だった。ケガの箇所が、再発しやすいふくらはぎだったので、大事をとるとなれば、最悪、前半戦は様子見も十分ありえます」
補強十分の楽天だけに、鷹揚に構えることができるかは、スタートダッシュしだいだろう。
【6】ベテラン福留孝介(中日)と松坂大輔(西武)に出番なし
プロ23年目、44歳となる福留は昨季、打率1割台、本塁打1本と力の衰えを見せた。NPB通算2000安打まで残り91本の記録がかかるが、
「今季、2000安打まで残り74本の栗山巧(西武)はほぼ確実ですが、福留は厳しいでしょう。オープン戦での代打2ランはみごとでした。あれが有終の美とならなければいいですが」(スポーツ紙記者)
福留と同じく23年目、41歳になる松坂は昨年、手術を受けた影響で1軍登板はなかった。「年齢を重ねると故障が続く。来シーズン以降も厳しいだろう」と、かつての恩師・東尾修氏もユーチューブで語っているほどだ。「投げられないまま引退」か「1軍で有終の美を飾る」ことができるのか。
「現状では、引退の顔見世で登板するのがギリギリでしょう」(西武番記者)
というのだが‥‥。