新型コロナウイルスの感染が再拡大し、いよいよ第4波に入ったとみられている。30日の感染者数は2087人と再び2000人台に乗り、累計感染確認数は47万2325人となった。
新型コロナの感染状況は各国が最新情報を随時発表しているが、そこに累計感染者数はあっても感染率を示す数値を公表している国は少ない。そこで世界各国の累計感染者数を集計、公表している米・ジョンズホプキンス大学のデータ(※3月29日時点)とWHOの『世界保健統計2020年版』に記載されている各国の人口をもとに、累計感染率を独自に試算。国民の何人に1人が感染しているのか、ランキング化してみた。
すると、感染率の高いワースト5は意外すぎる顔ぶれ。1位はフランスとスペインに挟まれたピレネー山脈にある小国アンドラの6.5人に1人。2位はモンテネグロ(6.97人)、3位チェコ(7.04人)、4位サンマリノ(7.39人)、5位スロベニア(9.77人)と日本ではまったく感染が深刻だと報じられていない国が上位となった。
いずれも被害が特に大きいヨーロッパの国々が占めたのはまだ理解できるが、特に深刻な状況だと日本で連日報じられてきたフランスは17位(14.11人)で、20位スペイン(14.34人)、27位英国(15.45人)と、思っていたよりも下位だった。
なにより累計感染数の多い10カ国でワースト10に入っているのは、3000万人超と世界で最も多い米国のみ。それでも8位(10.81人)で、あくまで感染率という視点から見れば世界最悪の被害国ではないわけだ。
そして、気になる日本の累計感染率は271.63人に1人。世界では120位と真ん中よりも下で、国際的にみればリスクが低い国という位置付けになる。アジアに限定してもインドやフィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポールよりも感染率自体はかなり低いことがわかった。
ちなみにコロナの感染状況を公表していない北朝鮮、トルクメニスタンを除くデータを公表している192の国・地域のうち、今も感染者ゼロなのはキリバス、ツバル、ナウルの南太平洋の3つの島国で、次いで感染率が低かったのは東南アジアのラオスの約14.4万人に1人。また、コロナ発生地の中国も180位(約1.4万人)というこれまた意外な結果であることが判明した。
実際にはどの国も把握しきれていない隠れ感染者がこれまで数多くいたと考えられており、ほかにも検査体制の甘さであったり、国によってはデータを詐称しているなんて噂もある。疑い出したらきりがないが、1年数カ月という長いスパンでのコロナ感染状況を示す指標のひとつにはなるはずだ。
■新型コロナ累計感染率ワーストランキング
1位 アンドラ 1/6.50
2位 モンテネグロ 1/6.97
3位 チェコ 1/7.04
4位 サンマリノ 1/7.39
5位 スロベニア 1/9.77
6位 ルクセンブルク 1/9.99
7位 イスラエル 1/10.08
8位 米国 1/10.81
9位 バーレーン 1/11.14
10位 パナマ 1/11.82
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17位 フランス 1/14.11
20位 スペイン 1/14.34
27位 英国 1/15.45
33位 ブラジル 1/16.77
36位 イタリア 1/17.16
61位 ドイツ 1/29.85
66位 ロシア 1/32.61
106位 インド 1/112.99
120位 日本 1/271.63
180位 中国 1/14121.53
189位 ラオス 1/144102.04
190位 キリバス 感染者0人
ツバル 感染者0人
ナウル 感染者0人
※ジョンズホプキンス大学とWHOの人口データをもとに試算